ざわさん

鑑定士と顔のない依頼人のざわさんのレビュー・感想・評価

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
3.9
2018年 148本目

俺の大好物の、伏線回収・どんでん返し・見終わった後に言葉を失う系映画。そういう映画だよ、というのは聞いていたので、答え合わせまでは一切の気を抜けない。
鑑定士のオールドマンが、姿を見せることのない女性からの依頼を受けたことから、彼の全てが変わり始める。まさに邦題その通り。ただこれ、どんでん返し系映画と聞いていなかったら、平凡なハッピーエンドを予想してしまうし、それだけ練られた脚本だということ。それに比べて日本の映画って、ポスターとか予告編の段階から「戦慄のラスト◯分!」って予めヒントをくれていて、ある程度思考を巡らせながら見ちゃうから嫌だ。
130分間、余すところなく濃い目の伏線が散りばめられているので、エンディング後も「え、じゃあそこはどういうこと?」って混乱したけど、解説サイトのお陰で全てが解決した。一人ひとりの、一つひとつの行動に意味があって、伏線をほっぽらかしにするどっかのクソみたいな映画とは大違い!もちろんヒーロー映画とか恋愛映画もいいけど、個人的にはこういう類の映画が一番見終わった後に興奮する。一言じゃまとめられない感じが、好きなのよ。
そして、この映画は絵画の査定士が主人公なので、いろんな名画が出てきてすごく芸術的。ラストの真っ白な部屋には、圧倒的な美があった。
ざわさん

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