胸糞鬱不条理大好き

鑑定士と顔のない依頼人の胸糞鬱不条理大好きのレビュー・感想・評価

鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)
3.5
わかっていても、ちゃんと心臓がヒュッと冷えた…それが凄い!!

最初は審美眼ハイパーマックス鑑定士偏屈おじさまのキャラの立ち具合を単純に楽しみ、途中からは依頼人は何故姿を見せない??謎の部品の正体は何だ??
と、先が楽しみになっていく。

依頼人が姿を見せなかった謎や、それを解決していく様をとても丁寧に描いていて尺をとっているもんだから、恐らくそれでかなり油断させられた。
というか、あれ?ジャンルはラブストーリーだっけか?これ??と混乱したけれど…


最後の最後できっちりふりきってきた。フルスロットルで。

BGM等の演出で、これからどんなシーンがくるかは察しが十分につく。
察して覚悟したうえで、いざそのシーンを目の当たりにしたとき、物凄く心臓が冷えた。
上記の丁寧に尺を取っている経緯が効いていて、「おぉぉ…」となる。

まぁ鑑定士自身は身から出た錆ではあるのだけど、あれだけ幸せそうな顔見せられてたら流石に…。


贋作の中に、必ず本物は潜んでいる。
ラストの彼の表情からは、本物が存在したと信じている、もしくはそう信じたい思いを感じた。