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セリーナ 炎の女のemilyのレビュー・感想・評価

セリーナ 炎の女(2014年製作の映画)
2.3
1920年代のノースカロライナ、木材業を営なむジョージは、一目惚れして結婚したセレナと幸せな日々を過ごしている。彼女はその業界に詳しく次第に対立するようになり、夫に隠し子がいることを見つけてしまう。不妊になってしまったセレナは復讐のためにある計画に出る。

広大な山の風景、馬に乗る凛としたセレナ演じるジェニファー・ローレンス。ジョージ演じるのはブラッドリー・クーパーなので二人の息はばっちり。絶妙な夫婦の空気感をしっかり醸し出している。穏やかな前半から一気に攻め寄るサスペンス。冷静沈着なセレナはジョージをうまく翻弄し、仕事上でも大きな権力を得ることになる。心情の描写は少なく、表情を交差させることで畳み掛けるように物語は進んでいく。

冷静なセレナが嫉妬と女としての敗北に怒りをあらわにする姿が印象的だ。そこから畳み掛けるラスト、物語の情報量が非常に多く、追ってるうちに心情の交差を見失いそうになる。山の土の色彩の中ひときわ目を惹くセレナが纏う赤。女として仕事人としてのプライドがそのまま反映されているかのように、筋の通った強さを感じさせる。しかし彼女のような人が自尊心を傷つけられた時の反発心は大きい。そのラストのあっけなさはそのまま人生の皮肉と交差し、余韻としてしっかりと残される。1つのボタンのかけ違いにより振りかかる悲劇、その答えは意外と簡単なところにある。
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