エミさん

セリーナ 炎の女のエミさんのネタバレレビュー・内容・結末

セリーナ 炎の女(2014年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

未体験ゾーン2018にて。
1929年。世界恐慌後の米ノースカロライナ。舞台はスモーキーマウンテンに抱かれた森林地帯。ボストンから駐留して製材業を営むジョージ(ブラッドリー・クーパー)は、気心の知れた仲間たちと共に自由な生活を楽しんでいたが、資金繰りで戻ったボストンで、乗馬を楽しむセリーナ(ジュニファー・ローレンス)に一目惚れをしてしまったことから、人生が一変。女性によって身を滅ぼしてしまった男の残念なお話です。

ですがですが、この映画のタイトルが示す通り、主人公は、あくまでもセリーナという女性です。
性格が悪い訳でもないし、一見、よく気がつくので、周囲の人達を助けて親切な人に見えますが、いつの間にか、その人にポジションが取って代わっている状況って見たことはありませんか?
セリーナはそんな女性です。人から嫉妬される存在、そして自身も嫉妬深いのです。ジョージの為に尽くした結果、ラストでは、セリーナを中心に全員不幸になる蟻地獄のようなパターンが待っているのです。
セリーナ、ジョージ、ジョージの親友ブキャナン、狩りの案内人ギャロウェイ、飯盛女レイチェルと息子ジェイコブ…等々、近しい人は全員転落です。。

一見、ラブロマンスからのサスペンスっていう展開にも思えましたが、物語は何も解決しないまま救いがなく、モヤモヤっと終わるので、「結局、何だったんだよぉぉ…」っていう不快さが残ります。
ラストシーンに映る、何かが起こったんだろうけど何が起こったのか分からず、保安官一行を呆然と見ているキャンプの住人たちとおんなじ気持ちで劇場を後にし、2大スターの力を持ってしても、一度お蔵入りになった事に納得させられた作品でしたが、ファッション、クラッシックカー、猟銃、馬、西部開拓漂う自然や町の状況、当時の恐々とした経済状況等々、20年代米国の様子がうかがえる素敵なシーンがたくさんあって、これはこれで楽しいので、劇場レベルではないものの、観てもいいのでは!?と思えた作品でした。