宮崎アニメは一度文明が崩壊した世界観の作品が多いし、本作も放射能で汚染された世界だけど、一番SF感全開の作品になってる。
本作に出てくる乗り物は、他の宮崎アニメのそれとは違いかなりリアルなデザインになっている。
そのため、宮崎アニメというよりも、世界観も含めて大友克洋のアニメ作品を観てる気にさせられる。
序盤の虐殺シーンが圧巻。
警察がアサルトライフルを連射する時の反動を細かく描き、銃弾が壁を横に抉る描写なんかがかなりキテる。
そして死んだ人間の顔までしっかり映す徹底ぶり。
MVでやる事じゃねえ(笑)
台詞が無い分、他の宮崎アニメ以上に色んな見方ができるし、曲自体も良いし、約7分だから何度でもリピートしてしまう。
『カリオストロの城』や『未来少年コナン』等でも見られる演出だが、本作でチャゲアスの二人が車で都市の居住区に突っ込む場面のように、主人公の逃亡劇を通して世界観をさり気なく且つ万遍なく見せていくのがホント上手い。
これまで長編アニメで描いてきたような世界観を7分弱で、しかも台詞無しでも描ける宮崎駿にただただ脱帽。