常盤しのぶ

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロンの常盤しのぶのレビュー・感想・評価

3.5
正義と悪の地産地消。
本作でトニースタークへの好感度がガン下がりした人もいるのではないだろうか。日本でも平成ライダーでは味方同士での会話が不十分で余計なトラブルを多く発生させてしまう。本作でもウルトロン計画を実現させるためにロキの杖を拝借し、バナー博士を唆して計画の実現を強行した。その結果がご覧の有様である。

AIが真の平和を計算した結果、人類を滅ぼしにかかるのはSF界の常である。滅ぼし方はそれこそ千差万別。AI自身が自らを開発して殺戮マシーンとなったり、核弾頭スイッチへハッキングしてぶっ放したり、AI自身が人類の秩序を支配してディストピアを形成したり、はたまた宇宙人を呼んでみたり……。本作のAIは擬似的に隕石を落とすことを選んだようだ。

今回はトニーの行き過ぎたマッドサイエンティストの顔が暴走した結果、人類滅亡の危機を招いてしまった。そしてそれを自分たちで解決しているのだから、これを地産地消を言わずに何と表現しようか。更にそのウルトロンを破壊するために再度バナー博士をかどかわしている。何も学習していないのだろうか。会話をしろ会話を。だからペッパーに逃げられるのだよ。

本作ではあるキャラの死亡フラグがこれみよがしにバシバシ立つ。今まで語られなかった守るべき家族の登場から始まり『俺、この戦いが終わったら引退するんだ……』と言ってみたり、避難しきれなかった子供を見つけて引き換えしてみたり、……これだけの死亡フラグが立ってしまえば当然彼の死を覚悟してしまう。しかし実際は……。

前述の通り、本作はトニースタークへのヘイトが一気に溜まる作品といえる。しかし、ワンダやヴィジョン、そして新たなインフィニティ・ストーンの登場など、EGに向けての情報が多く開示されているので飛ばさずに観ることをオススメする。

それにしても、私の中でトニーの評価がかなり下がっているのだが、EGを楽しむことができるのだろうか……不安である。