しぇんみん

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロンのしぇんみんのレビュー・感想・評価

3.4
マーベル・ヒーローズ第二期『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』

お馴染みのヒーロー達が一同に会す、お祭り映画の二作目。

冒頭のヒュドラ基地の攻撃シーンから興奮必至。

アベンジャーズのヒーロー同士の連携攻撃も発揮され、彼らのパワーアップを感じられる。

また、南アフリカで初めて闘うこととなる「双子の強化人間」の能力に苦戦する面々。

最高の魅せ場は「ハルクvsハルクバスター」!

精神支配により暴走させられたハルクと、対ハルク兵器として開発されたアーマー装着型アイアンマンの本気の殴り合いは燃える。

天才として心を通せ互いを認めていた二人だからこそのこのシーンだ。

また、ウルトロンによるラスト間際のあの「巨大物体」落下作戦の防衛線は迫力満点で、のめり込んで観てしまった。

このようにアクションは大幅にパワーアップして申し分ない。

...のだが、物語はイマイチ。

まず、トニー・スタークとブルース・バナーが産み出してしまった「自己進化する人工知能」ウルトロンとの対決を中心に考えてみると、根源的な脅威はアベンジャーズ自身ではないかと思う。

ウルトロンは「平和のために人類を滅ぼす」という原則・原理に従って、飽くまで「平和」を実現しようとしていただけだ。

本作のアベンジャーズはウルトロンに出し抜かれてばかりで、彼らは自分たちが起こした「大事故」に対し「尻拭い」をしているのみなのだ。

アベンジャーズは、市民を守るため不可抗力とはいえ、大規模な破壊を繰り広げた挙句、あの「巨大物体」は消滅。

彼らは市民を救出してはいるが、そもそも関係のなかった市民が何千人死に、怪我をし、財産を失ったことか。

市民が普通の生活に戻れるまで、どのくらいの期間がかかるのだろうか?

まあ「ヒーロー」たちは、そんなことは百も承知で、脅威から地球と市民を守るために戦っているのであろうが。

本作は「アベンジャーズの存在意義」を問うているかのようだ。

この辺の矛盾点というか、アベンジャーズによる街の破壊描写ばかり見せられた点が、今一つスッキリしない部分なのだろう。

もっと、何も考えずにアクションだけ見たいものだ。
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