河豚川ポンズ

アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロンの河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

3.8
傑作というには絶妙にあと一つ足らない映画。
ポイントで見ると好きなところとか見たかったものに溢れてるんだけど、いざ全体でみるとなんか足んねえよなあ?となる不思議。
主にヴィラン側に魅力が足らないような気もするが…

世界中のヒドラ残党叩きに奔走するアベンジャーズたち。
経験も積んだことでチームワークも抜群の彼らは、東欧の小国ソコヴィアに潜伏するバロン・フォン・ストラッカー(トーマス・クレッチマン)の情報を手に入れアベンジャーズは強襲する。
ストラッカーはロキの杖"セプター"を持っており、それを用いて超能力者の育成を行っていたようでテレキネシスと洗脳を行うワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)と超高速の身体能力を持つピエトロ・マキシモフ(アーロン・テイラー=ジョンソン)の双子に苦戦させられる。
それでもなんとか退けセプターを手に入れたアベンジャーズたちはひとまずニューヨークに戻る。
しかし未だ見ぬ未知の脅威に不安を覚えるトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)はブルース・バナー(マーク・ラファロ)にあることを持ちかける。
セプターから自分たちの手の回らない部分にも対応できるようなAIロボットを作り上げる、そうスタークは話すのだった。

ヒーロー同士のコンビネーションアタックや待望のハルクバスター登場、そしてスカーレット・ウィッチ、クイック・シルバー、ヴィジョン、ウルトロンの登場など、見どころはたっぷり。
ハルクバスターの装着シーンなんかは信じられないほどのカッコよさにテンション上がりまくり。
もうこれだけで映画館のチケット金額に対してお釣りが返ってくるレベル。
「キックアス」ではなよなよした感じだったのが別人レベルに男前になったアーロン・テイラー=ジョンソンが今回は正真正銘の超人クイック・シルバーを演じる。
そんな彼と双子の妹のワンダ、そして保護者ポジのホークアイとの掛け合いは間違いなく今作の癒し。

額のマインドストーンのおかげでこの先波乱万丈が確定しているヴィジョン君は、自身の密度を変えるとかいうどう考えてもMCU内最強クラスの能力を持ってると思うんだけども、何かと控えめな印象。
ただそれよりも気になるのはウルトロンの方。
マインドストーンから生み出されたJ.A.R.V.I.S.を超えるほどの人工知能ながら、結局アベンジャーズとの戦い方はなぜか物量作戦という脳筋にも程がある発想。
もうちょっとロボットらしく頭使って追い込んでほしかったんだけど、そういう人間臭さは要らないんだよなあと思うばかり。

ハルクとブラックウィドウのロマンスにも個人的には頭の中で?が止まらなかった。
あれ?ベティ・ロスはどうしたの?エドワード・ノートンからマーク・ラファロに役者が変わったからハルク的にもそこらへんはノーカンなの?
そもそも美人な女性だったら別に誰でもいけるとかそういう面食い的なスタンスなの?
とにかく今までのハルクの映画を放り投げるようなやり方であまり気に食わなかった。

監督のジョス・ウェドンって80点が合格点だとしたらぴったし80点の出来で出してくるイメージで、今回もまさに「面白くないとまではいわないけど、ここまでやれたならあともう少し何とか面白くならなかったのか?」という気分だった。