ちろる

とらわれて夏のちろるのレビュー・感想・評価

とらわれて夏(2013年製作の映画)
3.9
たった5日間で真実の愛を知った。
満たされないままの生活の中で、突然入ってきたのはワイルドな脱獄犯。
絶対に愛してはいけない相手なのに、無性に惹かれてしまう。

シンプルな禁じられた恋のものがたりなのに何故か無性に泣ける。
ケイト・ウィンスレットは本当にこういう愛に溺れる役がとても似合う。
意思が強い瞳と情緒不安定な心を持つシングルマザーと、
それを心配気に見つめる息子のヘンリーを演じたガトリン・グリフィスの雰囲気もとても良い。
母に幸せになってほしい、その一心なのが伝わるから泣けるのです。

脱獄囚フランクを演じたジョシュ・ブローリンはとんでもなく男らしくてセクシーで、ある意味理想的な父親で旦那でもある。
こんな危ない恋に落ちるわけないと思う保守的な私でも、このお話では恋に落ちてしまったアデルの気持ちがものすごく分かる。

小さな質素な家の中でひっそりの息を潜めて閉鎖的な景色で綴られる、退廃的で刹那的なのに、決して暗いわけではない。
密やかだからこそまるで本当の家族のような3人のシーンがキラキラ輝いて、美しい。
とにかくこういう恋物語は、主婦だからこそときめいてしまう。
もっともっと早く観ておければ良かった素敵な作品です。
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