【甘い映画】
かなり甘めのラブストーリーです。
甘め、というのは筋書きのこと。刑務所を脱走した男が母と息子二人暮らしの家に居座るが、男は案外に優しく、料理も上手だし、家の壊れているところを修理したり、息子に野球を教えたり。夫に去られて息子だけが頼りだった母は囚人に惹かれていき・・・・。
この、惹かれていき、のあたりが結構スピーディなんですよね。もう少し葛藤や慎重さが必要なんじゃないか、という気がする。逆に囚人のほうにしても、母と息子を本当に信頼していいのかどうかもっと迷うのが自然じゃないか。
まあ、そういういちゃもんをつけるのは、この映画の場合は野暮なんでしょう。お約束として、案外親切な囚人と夫に去られた女が惹かれあい、また息子も囚人に馴染んでいくという設定になっているんですから、そういうものとして見ないといけないんでしょう。
そういう前提で見てしまえば、悪い話ではありません。ラストもそれなりだし。でも、息子と知り合いになる女の子が囚人のことを見破っちゃうあたりは、いくらなんでも出来すぎじゃないかなあ。
この映画を見て、「将を射んとすればまず馬を・・・」ということわざを思い出しました。母親を落とそうとするならまずその息子を・・・・という意味でね。ちなみにネットで調べてみたら、「将を射んとすれば」にあたる英語のことわざは「He that would the daughter win must with the mother first begin.（娘を欲しいと思うなら、まず母親から始めねばならない）」だそうです。この映画では娘が母親に、母親が息子になってますけど。
