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とらわれて夏のRomicovのレビュー・感想・評価

とらわれて夏(2013年製作の映画)
3.9
ジェイソン・ライトマン監督作品と言うと、軽妙さやシニカルさ、またテンポの良い台詞運び等々を期待してしまう向きがあったので、
今作についてははじめて予告編を観た時かなり面食らった記憶がある。
それもあって好きな監督の作品だけれどもずっと観るタイミングを逃し続けてやっと鑑賞。
もちろん期待していた方向とはまるっきり違うタイプの作品ではあったのだけれども、こういう落着いたシリアスさ、官能的なセンチメンタルな作品も撮るんだー!てので
また別の楽しみが出来た気分。

ひょんなことから脱獄囚を匿う羽目になったシングルマザーとその息子の5日間を、主に息子の目線から描いた作品。

父親不在の家庭と脱獄囚の男との疑似家族関係。(ストックホルム症候群的な意味合いかとも思ったのだけれども、そうでもないのかな…。)
母のことは自分が一番解っている自負はあるけれども、今の自分ではまだまだ力不足であることに対する息子のジレンマ。
自分が埋められない穴をその男が補ってもくれ、また男とのやりとりの中に自分にとって欠けていた父親の存在を見、その一方母と男の関係のために
自分が捨てられるのかもしれないという不安。さらに男の過去、母の過去なども織り交ぜ、地味ながら気持ちのいい密度みたいなものを感じる。

夏の暑さ、湿度 官能。
3人でピーチパイを作るシーンのなんともエロティックなこと。。。

「タイタニック」でケイト・ウィンスレットを初めて観たときは、こんなにおっ母さん感のある大物女優さんになるとは思ってませんでした。スミマセン。

どうでもいいけども、JKシモンズの頭頂部に毛髪があると違和感感じるのね。。。ww
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