日本は戦争の被害者であるが、人によっては加害者でもある。至極当然のことだ。そしてそれぞれが、当時の悪夢を忘れられずに生きていかなければならない。
この映画の主人公エリックは、あえて加害者である日本人(直接手を下したわけではないが)に会いに行くことで、虐げられた恨みや憎しみの気持ちを断ち切ろうと思ったわけだ。下手をすれば、あのころの記憶が鮮明に蘇り、取り返しのつかない事態をも引き起こしかねないのだが。
そしてついにエリックは、当時通訳として日本軍にいた永瀬という男を捜しあてる。二人を待ち受ける結末やいかに。
列車の旅で、いろんな人に出会う映画かな? くらいの感じで、ほとんど予備知識なしで鑑賞したら、かなり重く、考えさせられる内容だったので驚いた。
憎しみからは何も生まれない。そんな当たり前のことを再認識させてくれる作品。