このレビューはネタバレを含みます
これだけ長い時間、同じ世界観の作品を見ていると、名残惜しい気持ちになるけれど、これが本当に最後。
もともと、空の境界は同人作品から出発したらしいけれど、この作品には、内在する何か全てを創作衝動に詰め込んだような作品だったのだけれど、この「未来福音」には、すでにプロとして、ある一定レベルの作品を仕上げる、小馴れた感が出ていた。すごく綺麗にまとめられていたけれど…
「この10年でそういう時代になった。悪いことは言わねえからやめちまえ。誰だって暗い未来も粗末な過去も見たくない。純粋な希望に見い出すロマンはいつの間にか無くなったのだ。あんたは、何ていうか、時代に置いてかれたんだ」
という作中の言葉に、作者が過ごしてきた時間の重みを垣間見た気がした。