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チャイニーズ・オデッセイ Part2 永遠の恋の堊のレビュー・感想・評価

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part1とは完全に繋がっていながら別映画。
過去を改変するためにループを繰り返すチャウシンチーの物語は暴力的に要約すれば『まどマギ』であり「エンドレスエイト」そのものなのだが、そこに『君の名は』的入れ替わり劇(しかも五人単位)が加わるために縦の時系列+横の人物シャッフルによる混乱は避けられない。このため初見で物語を理解するのは中国語ネイティブであったとしてもかなり厳しい(10数文字の字幕視聴に限られればなおさら)。

そして何より視聴者に求められるのは500年後へ行ったり来たりしたり、突然死んで生まれ変わったりの儒教由来のぶっ飛んだ状況に順応できる理解力よりも中国人のヒロインを即座に見分けられる動体視力。
しかしラストカットでこの前後編が"プロローグ西遊記"を理解した瞬間ブチ上がる。
この複雑きわまりないサーガ映画が国民的大ヒットしている中国、すげぇと思う。チャウシンチーの国民的スターぶりと女たらしっぷり(本作に出演するヒロインはほぼ全てチャウシンチーが唾をつけているらしい)に驚く。荒唐無稽な画への執着と手品への拘りといい、チャウシンチーってちょっとオーソンウェルズっぽい。
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