kazu1961

少女は自転車にのってのkazu1961のレビュー・感想・評価

少女は自転車にのって(2012年製作の映画)
4.0
▪️JPTitle :「少女は自転車にのって」
ORTitle:「Wadjda」
▪️First Release Year : 2012
▪️JP Release Date : 2013/12/14
▪️Production Country : サウジアラビア・ドイツ
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record : 2022-137 再鑑賞
🕰Running Time : 97分
▪️Director : ハイファ・アル=マンスール
▪️Writer : ハイファ・アル=マンスール
▪️MusicD : マックス・リヒター
▪️Cast : ワアド・ムハンマド、リーム・アブドゥラ
▪️Review
サウジアラビアのリアルがひしひしと伝わってきます。女性には投票権がないこと、女性には様々な行動制限の因習があること、そして一夫多妻制。女性にとって幸せになれる国なのでしょうか?。。。
サウジアラビアの女性監督のによる史上初の映画は、一見自転車を欲しがる少女を描いた一見シンプルな物語です。
しかし現代のサウジアラビアでは、少女が欲しいものを手に入れられることは滅多にないんですね。。。ましてや女性に投票権がなく、映画館自体が禁止されてる社会において、ハイファ・アル=マンスール監督のデビューはとんでもない偉業に違いありません。
この単純に見える物語は、政治や人権の問題に正面から取り組まなければならないことを示しています。そんな中でごく自然な主人公の語り口主導の作品で、直面する現実は厳しいですが、それでも自分らしさを発揮することが可能であるということを伝えてくれます。そう、性差別が今なお残る因習の中に生きる少女の姿を通して未来への希望を描き出した素晴らしいドラマです。

物語は。。。
10歳のおてんば少女ワジダは男友達のアブダラと自転車競争をしたいのですが、厳格なイスラームの戒律と習慣を重んじる周囲の大人たちはワジダが自転車に乗ることにもアブダラと遊ぶことにも否定的でした。ある日、雑貨店できれいな自転車を見つけたワジダは一目でその自転車を気に入ってしまいます。なんとしてもその自転車を手に入れようとワジダはミサンガを売ったり秘密のアルバイトをしたりしますが自転車代の800リヤルには届きそうにもありません。そんな時、学校でクルアーンの暗唱コンテストが行われることになり、優勝賞金が1000リヤルであることを知ったワジダはコンテストに参加することにします。外で遊ぶことが好きだったワジダはクルアーンが大の苦手でしたが、優勝を目指して猛特訓しますが。。。

ラストに一筋の光明が見えるのがとても良かったと思える作品です。

▪️Overview (映画. comより)
映画館の設置が法律で禁じられているサウジアラビア初の女性監督ハイファ・アル=マンスールが、同国俳優を起用し、すべて国内で撮影したサウジアラビア初の長編映画。10歳のおてんば少女ワジダは、幼なじみの少年アブドゥラと自転車競走がしたいが、母親は女の子が自転車に乗ることに反対する。そんな時、学校でコーラン暗唱コンテストが行われることになり、ワジダはその賞金で自転車を買おうと一生懸命コーランの暗唱に取り組むが……。女性がひとりで外出することや車を運転することが禁じられている同国で、ひとりの少女が女性として生きることの厳しさに直面しつつも、前向きに生きる姿を活写する。
kazu1961

kazu1961