2MO

ナタリーの2MOのレビュー・感想・評価

ナタリー(2011年製作の映画)
4.4
オドレイ・トトゥと言えばチャーミングといった具合で、彼女の映画に恋をしないことはない。
一緒に過ごす時間に、知り得ない人生を想うことを恋と言う。そのことをまさしく体感するあっという間の2時間であり、そして消えることのない恋の余韻なのである。

幸せの時はあっという間に流れ過ぎ、ある日突然、未来と共に失われる。
なのに、時間が止まることはなく、“悲劇ゆえの美しい不幸”も薄らいでいく。
“今を忘れよう”にも、忘れ得ない過去の記憶と共に時を刻んでしまっている。
私は現に生きている。

まぶたを閉じれば永遠はそこに。
朝、目覚めれば、光の中でいとしい人の手を握る。

“It's a Wonderful Life”
‘これこそ愛よ’

そう、これこそあるべき美女と野獣のラブストーリー。
美女の傷ついた心と、醜い男の“繊細”な心が優しく触れ合って、ひとりぼっちはふたりぼっちの愛を見つける。

悲しいんじゃなくて。愛おしくて、愛おしくて涙が溢れる。
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