まりりんクイン

戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-02 暗黒奇譚!蛇女の怪のまりりんクインのレビュー・感想・評価

3.0
白石晃士監督によるフェイクドキュメンタリーシリーズ、仕切り直された後の二作目。

前作に引き続き、キャラ物としての魅力、フィクションラインのバランスが絶妙。

というか前回にも増してかなりドラマ寄りな作り。
前半40分強が投稿映像という異質な構成からも明らかですが、今回モキュメンタリーなお約束要素は恐らく意図的にかなり省略気味です。
途中で情報を提供してくれる近所のおばちゃんの登場のしかたの都合の良さ、扱いの雑さとか笑

そしてドラマ寄りになった本作において最も輝いていたのは、なんと言っても、
サイタマノラッパーMCトムで同じみ、水澤紳悟さん!
彼の魅力に尽きます!
モキュメンタリーでありながら、役者の魅力を最大限引き出すことに成功しているのってよく考えると凄いですよね笑

もうほとんど犯罪スレスレの純愛(というか犯罪)を肯定するエンドは、同監督作「超悪人」に通ずるような
「世間的にも、倫理的にも間違ったことを肯定することで生まれるフィクションのパワー」に満ち溢れていて素晴らしかったです。

チームコワすぎも相変わらず。
今回の個人的ベストは、「止めました!止めました!」といいながらカメラを回し続ける田代Dですね笑

とまあいつもどうり楽しかったは楽しかったんですが今回はもう一つ食べたり無い印象。

というのも、
同時期に「コワすぎ」フォロワー的後続作品群を幾つか観て、そちらのインパクトの方が強かったから。

話の大半が投稿映像という点では、
本編オール投稿映像という「心霊玉手匣3」のほうが衝撃度高めでしたし、
役者にフォーカスを当てた作りとしても、
「心霊玉手匣4」の劇映画的感動には届かなかった印象。

また、毎回モキュメンタリーとしての作りの斬新さを見せてくれるコワすぎ!シリーズですが、
その点では「妖怪カメラ」のメタonメタ視点、ヤラセ視点の革新さには劣っていた印象。

要するに今、
白石監督作品、
コワすぎ!シリーズに影響されたことで、
単なるパクリでは切り捨てられない、
心霊ドキュメンタリーというジャンルに新たな視点、アプローチで挑んでいるニュージェネレーション的作品が続々と増えつつあるということだと思います。

そしてその中には、最早名人芸の域に達した安定感のある本シリーズより、野心的で歪だからこそ、勢いがあって魅力的な物が確かに存在します。
今後恐らくこのジャンルがより盛り上がっていくことは間違い無いでしょう。

その中で、ニコニコ生放送、4DXなど常に新しい次元を切り開く白石監督が、今後コワすぎ!シリーズがどこまで新しい驚きを与えてくれるのかが楽しみです。