茶一郎

戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-02 暗黒奇譚!蛇女の怪の茶一郎のレビュー・感想・評価

3.9
【短】フェイク・ドキュメンタリー映像作家として日本を代表する白石晃士監督、その名を世に知らしめた『コワすぎ!』シリーズの第9作目。そして設定を一新した『超コワすぎ!』シリーズの2作目になります。

 前作『恐怖降臨!コックリさん』はコメディ、『人喰い河童伝説』はバディモノ、『トイレの花子さん』はタイムリープモノと、フェイクドキュメンタリー・ホラーをベースにしながらも様々なジャンルに物語を変化させてきた白石監督は本作を何と「恋愛映画」に仕上げてみせました。そう!まさかの本作『暗黒奇譚!蛇女の怪』はボーイ・ミーツ・蛇ガールな作品。タイトルの「奇譚」ってそういうことかと、全く天才の考える事は理解不能であります。
 シリーズ最長(に感じているだけかもしれませんが)の投稿映像パートから、非常に繊細に、そして丁寧に1人の男に恋心が芽生える瞬間を描き、その後は工藤ディレクターの恋愛講座の幕開けです。相も変わらずブッ飛んでいる物語展開に白石監督の異形のモノへの優しい眼差しが加わり、何とも感動的な一本に。本作から白石監督はメジャー作品の監督として抜擢されてしまったため、しばし『超コワすぎ!』シリーズをお休みしておりますが、ぜひ白石監督にはNetflixかどこかで連続ドラマシリーズとして続編を製作して頂きたいと願うばかりです。
茶一郎

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