すとんこ

ロボットカーニバルのすとんこのレビュー・感想・評価

ロボットカーニバル(1987年製作の映画)
2.0
LD所有

″ヒューマンなロボットをテーマに、現在、日本を代表する第一級アニメーター8名と、巨匠大友克洋氏の参加によって制作されたオリジナル・ビデオアニメーション″(パッケージ裏の文言より)

9名の作家が各々のテーマで描く、各々のロボットの世界!制作日数3年、セル画枚数約9万枚!!
だ、そうです。

以下それぞれの短編の個人的感想です。

「OPENING&ENDING」(大友克洋)
いきなり超大型の履帯を回転させながら大振動で寂れた村に襲来する″ROBOT CARNIVAL″と掲げられた巨大な地上戦艦が登場!楽しげなマーチを奏でているのとはウラハラに村人や家屋を蹂躙していきます!!これから楽しげな事が始まりそうだと期待を大きく膨らませてくれます☆

「フランケンの歯車」(森本晃司)
人造人間を完成させた老科学者、″我が子″の誕生に大感激している彼は実験器具や実験室が人造人間起動のために壊れていても気にする様子は全く無く、ついに感動の抱擁を受け、人造人間に押し潰されてご臨終と相成ります・・・合唱。ギャグなんでしょうね。
(睡魔度5段階中3)

「DEPRIVE」(大森英敏)
かわい娘ちゃんを魔王に拐われたイケメンサイボーグが(どういう関係?)、かわい娘ちゃん奪還のため魔王軍に戦いを挑みます。80年代アニメのアクションシーンの教本のような作画が楽しめます。
(睡魔度3)

「プレゼンス」(梅津泰臣)
妻子持ちのコミュ障気味な青年が、自身の少女趣味全開で理想の女型アンドロイドを作成するも、「やはり女というのは御しがたい」とカロッゾ・ロナのようなこと言ったか言わなかったかな展開に。
(睡魔度4)

「STAR LIGHT ANGEL」(北爪宏幸)
百合な雰囲気ムンムンの女子カップルが遊園地デート。唐突に相方の女子に彼氏が出来て、「どうせアタシには彼氏居ませんよ!!」と拗ねまくっていたところにイケメンサイボーグが「オレがいるよ♪」と手を差しのべます。ヤッター、アタシにも彼氏が出来たーと喜ぶ少女。それでイイのか?と不安にさせられる話。
(睡魔度4)

「CLOUD」(マオ・ラムド)
ピノキオのような少年ロボットがひたすらナニかを求めて歩き続けます。風が吹こうと嵐が来ようと、世界が戦火に包まれようと黙々と歩みを止めることはありません。そして少年ロボットは人間の身体を手にいれて「A.I.」のような結末を迎えます(正にピノキオ!)。
(睡魔度5!)

「明治からくり文明奇譚~紅毛人襲来之巻~」(北久保弘之)
″マルコ・ポーロの東方見聞録″に感化された渡来人のマッド・サイエンティストが自動人形″ティンカーベル″号を駆って、黄金の国・ジパングを支配せんと襲来します。迎え撃つは日本の巨大ロボ・からくり神輿″陸蒸気弁慶號″!!飛び交う砲弾、巨体のぶつかり合い、なぎ倒される家屋と、見所満載に緻密な作画で楽しませてくれます☆本作は本編を楽しむためにあると言っても過言ではない!
(睡魔度0)

「ニワトリ男と赤い首」(なかむらたかし)
突如として高層ビル街に現れたロボット軍団、百鬼夜行の如く街を埋め尽くして行きます。酔っぱらいのサラリーマンが路地で目覚め街の異変に気付いてスクーターでロボットから逃げまくります。しかし朝を迎えると共にロボットたちは力を失ったかの如く姿を消し始めます。
不条理な展開に置いてきぼりです。
(睡魔度4)

「OPENING & ENDING」(福島敦子)
旅の帰りに拾った不思議な銀の玉を持ち帰ったお父さん。家族皆でナニコレと眺めていると、玉が変形しオルゴールのような感じで音楽がなり始め、中からバレリーナロボットが踊り始めます。子供たちはキャッキャッと喜びご満悦。その直後バレリーナロボットは爆発し一家全員爆死と相成ります。なんとも形容し難い結末に絶句させられます。

総評、本編中は睡魔との戦いでした。何度巻き戻して見直したことか・・・
アニメーションは当時の最高技術の粋を尽くしていると思いますが、内容はキビしいと言わざるを得ないと、当時も現在も感じた一本(* ̄ー ̄)☆
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