だいすけ

ウィンチェスター銃'73のだいすけのレビュー・感想・評価

ウィンチェスター銃'73(1950年製作の映画)
3.5
店頭に飾られたウィンチェスター銃'73を子供が物欲しそうに眺めるシーン、既視感があると思ったら、ダイアゴン横丁における「うわあ、ニンバス2000だ!かっこいい〜!」のシーンだ笑

ウィンチェスター銃'73の持ち主は転々と変わり、持ち主の視点で物語が綴られる。なので、悪党の立場にもそれなりに尺が割かれており、リン=ジェームス・スチュアートの善良な精神との対比が際立つ。しかし、多視点のが災いしたのか、人物の背景の掘り下げがあまりないので、リンは「正義漢」以上の深みはないし、ダッチも「悪党」でしかない。まあこういう定型的な二項対立が、二人の人生の分岐と因縁を裏付けているのかもしれない。それにしても、同じく二人の関係もほとんど掘り下げられないので、終盤である事実が発覚しても「へ〜」くらいにしか思わなかった。

銃は男を惹きつける魅力があるものの、それを手にしたものは不幸になるという、なんだかファムファタールみたいな銃だ。巡り巡っているのは銃だけではなく、実際はローラも「主人」をころころと変えている。
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