んぎ

ウォールデンのんぎのレビュー・感想・評価

ウォールデン(1969年製作の映画)
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タル・ベーラの映画を「驚異的な長回し」と評する文章があったが、こちらは言うなれば「驚異的な早回し」。昨今のサブスク倍速視聴の是非に関する議論を鼻で笑うかのように、ぶっ飛んだスピードであらゆる事象が走馬灯のように過ぎ去っていく。断片的で猥雑としたイメージの洪水はまるで、固有の文脈やストーリーによって映画が安易に肉付けされ凝り固まることを拒むかのように激しい。メカス自身も語るとおり極私的なホームムービーでしかないが、せっせと切り貼りしたフィルムに焼きつけられた幸福な営みの数々、その映像としての圧倒的な豊かさに、まんまと感動させられている自分がいた。
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