きき

サハラ、熱砂の愛のききのレビュー・感想・評価

サハラ、熱砂の愛(2009年製作の映画)
1.9
配信終了だったので、何の知識もなく鑑賞。
そしたら英語作品じゃなく、フランス語の映画でした!

1930年代、行方不明になった恋人を探す為、単身フランス部隊の駐屯地である砂漠にやってきた女性が、部隊を巻き込み、ひたすらに恋人を探しに奔走する。

というお話。

観終わった時にテロップが出たので、Google先生に確認してみたところ、どうやら実話ものらしい。
確かに、映画にしたくなるテーマではあると思う、恋人を信じて体を張って助けに来るなんて、しかも今から100年近く前だもの。

ただひたすらに、砂漠、砂漠、砂漠…!
砂漠だけなのに、何だか美しいんだよなぁ。
でも、やっぱり砂漠ばかりなんだけど。笑
彼女の存在がオアシスそのもの、な映画。

主演のマリオン・コティヤール、あまり多く彼女の作品は観たことないのだけど、揺れる瞳と不安定そうな雰囲気に放っておけない感じがきっと男心を擽るんだろうな、と。
『インセプション』のモルもそうだったよね、不安定を体現してるような役どころ。
でも、本作のマリーは芯がめちゃくちゃ強い、というか、言ってしまえば単に頑固なのかもしれないし、現実逃避してるだけの夢見る夢子ちゃんかもしれない。

愛を信じた強い女性、と言えば聞こえはいいし、時代を考えると凄いなぁ、と感嘆する。
でも周りの忠告は尽く無視するし、何ならかなり自己中な振る舞いで周りは巻き込まれて、結局いらん抗争が起きる…いや、これはいずれ起きる反乱というか、民族間の問題なのだけどね、彼女がきたことで加速した気もする。
これはね、彼女の薄幸な雰囲気がなければ許されないと思ってしまうよ…

淡々としてて、ストーリーだけ聞くとかなりロマンティックで切なく美しい物語。
でも、人によってはなかなかに退屈かも。
わたしには、クライマックスの切なさと、普通ならこうなるだろーな、ってのが覆される最後のテロップ、後味は悪くなく、むしろ、なんだかある意味その愛の強さは証明されたような気がして報われる気すらした。

ちなみに彼女を支え続ける男性の役が、パートナーでもあるギヨーム・カネ!
優男な感じがぴったりだった!

記録 : 2020年161本目。
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