真鍋新一

結婚の条件の真鍋新一のレビュー・感想・評価

結婚の条件(1963年製作の映画)
3.4
浅丘ルリ子と二谷英明の恋愛コメディを勝手に期待したらちょっと違った。2人は兄妹で、ルリ子の結婚相手に小高雄二と山田吾一が名乗りをあげる。なんか知らないがそこに川地民夫までついてくる意味のわからない展開に。

テンポのいい都会派コメディと兄が友人の未亡人と不倫という激重パートが混ざった演出はどっちつかずで好き嫌いが別れそうな気はするが、タイトルに反して独身女性の自立というテーマはしっかり描けているので個人的には好きな映画。

兄の行きつけのバーのママから秘密を聞き出した山田吾一がもったいぶるせいでルリ子が怒り、回想と現在を2往復する場面が古びないリズムで良かった。ちょっと損な役回りのサブヒロイン長谷百合。この時期一瞬だけ日活に出ていたモデル寄りの女優さん。そしてなんといっても桂木洋子。ここでも訳ありの熟女(実はそれほどの年齢ではないはずだが…)を演じていて、中原淳一系女優の先駆けとして1世代下のルリ子とちょっとした対立関係になるところも大いに見応えがあった。斎藤武市監督、やはり手堅くて好き。
真鍋新一

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