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ほとりの朔子のmuscleのレビュー・感想・評価

ほとりの朔子(2013年製作の映画)
1.0
確かに今まで見た深田晃司の映画の中ではいちばん身があったけれど、エロモクで撮ってるとしか思えないしょーもない数々にゾッとする。性的なことがどうこうでも別にいいのだけれど、そのクリシェをそのクリシェでしか行かないのが深田晃司。ロメールにもホンサンスにもなってない。
ラブホで「こんにちは赤ちゃん」流して女の子を救うところとかかなり厳しかった。 webでバズってそうなマンガマンガしたセンス。でも編集はたまにググッと身を寄せてしまいそうになるものはある。たとえば枝分かれした道で二階堂ふみが別れるカットは本当カスなのだけれど、その直後の真横から撮った机のカットだったりは良い。あと車でラブホ前をすれ違うところで車から見えるおじさんを挿入する。これはいい。でもそれを見てるふうな車内のカットを繋げて入れたりできない。なんとなくもどかしい。
反原発の話もノイズでしかないというか、ああいう集会を揶揄する描写を入れて311によって救われてしまったと思える人間の孤独、みたいなところに行くのが新海誠の『君の名は』の精神性に接近していて興味深い。オタク的な想像力。それを裏打ちするように男の子の発言で気まずくなった集会のその後の様子は決して映されることがない。カッコよく立ち去って二階堂ふみとなんとなく花火して終わり。終始視線を繋いだり何かをつなぐのが下手だった。ただ企画力はやっぱりあるというか、受験全落ちした浪人生の二階堂ふみとあの浅田彰みたいな大学講師のキャラクター性が豊かだった。
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