のんchan

鉄くず拾いの物語ののんchanのレビュー・感想・評価

鉄くず拾いの物語(2013年製作の映画)
3.2
昨夜、何かサクッと観られる短いのないかな?とチョイスした作品でしたが...
半端ない現実を目の当たりにしました。

ボスニア・ヘルツェゴビナに住むロマ民族の現在の闇の部分が映し出されます。
"あまりの貧しさ"でかなり辛くなりました。まるでドキュメンタリーなのですが、実際は実話をそのまま本人達が演じているそうです。


おそろしく貧乏ながらも幸せに暮す家族。
夫と妻、小さな女の子2人。
そこに3人目の子を身籠った妻。その妻が腹痛を訴え医者に見せると「死産です」と言われ、さらに手術しないと妻の命も危険な状態と。ところが保険に加入していないため1万マルク必要(約6万~7万円)
しかしそんな大金はありません。

仕事という仕事もなく、廃車を解体(それもハンマーのみで男2人で手作業)して鉄クズとして売り払って生計を立てています。そんな貧困層にとって1万マルクはとてもじゃないけど払えない。
何軒か医者を回り、国の福祉協会にも足を運びますが相手にしてくれません。

【命は金で買え‼️しかも現金一括‼️】という今の社会へ訴えかける作品です。
非常にシビアな現状を見せ付けています。

小さな子供はいるし、愛する妻を死なす訳に行かない。そこで義理の妹の保険証を使い(妹に成り済ますので犯罪だけど)辛うじて手術は成功し、何とか貧乏ながらも幸せな生活に戻る。

極寒の中、夫は林から伐採した木を担いで来て薪を作る。
棄てられてある廃材を切り刻んで重さで売ってお金に換える。
妻は小麦粉で美味しそうな渦巻パン風を作ったり、手で洗濯する。
その繰り返しの日々だけど、夫は深く妻や子供を愛している❤️
いつでもkissを求めて肌を触れ合いたい。
ところが、家の中ではノースリーブの妻の腕に夫が触れると「冷たい手で触らないで💢」と無碍に嫌がられている💦

当たり前なんだけど、生きて行く為にお金が必要。でもその前に愛情が絶対必要❤️と、今さらながらに思い知らされました。
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