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パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間のGreenTのレビュー・感想・評価

3.0
1963年に起こったジョン・F.・ケネディ大統領の銃撃事件の時の混乱した状況を淡々と描いている、ドキュメンタリー・タッチのフィクションなんですけど、セットや衣装などのプロダクションが良く出来ていたのと、出演者がオールスターでついつい観てしまいました。

ケネディ大統領は、訪問したダラスで車に乗ってパレードしているときに頭を撃たれて死亡したのは有名な話で、その時のショッキングなビデオが残っているんですけど、これって一般の人がたまたま撮影した8mmなんですよね。

今と違ってビデオ持ってる人なんてほとんどいない中、この人は写真とか好きらしくて、それが高じて「ケネディ大統領が来るなら、ビデオ買っちゃおう!」って、当時高価だったんだろうなあって思うんですけど、買っちゃったらしい。

この人を演じるのがポール・ジアマッティで、ビデオがあると知ってやってくるシークレット・サービスがビリー・ボブ・ソーントン。当時は現像しないと見れないので、現像してくれるところを探すのもカオス。

原題の “Parkland” は、ケネディ大統領が運ばれた病院の名前らしい。ここの若い女たらしのお医者さんがザック・エフロン、先輩のお医者さんがコリン・ハンクス、看護婦長がマルシア・ゲイ・ハーデン!

ロン・リビングストンが、ケネディを撃ったハーヴィ・オズワルドの存在を知ってたFBI 捜査官、その上司がデヴィッド・ハーバー、あ、あと、ケネディ大統領のセクレタリーがマーク・デュープラス(!)、大統領が亡くなった時に呼ばれる牧師が、『リトル・チルドレン』で小児性愛者役をやったジャック・アール・ハーレイ!!

お話としては、そのカオスぶりが興味深くはある。ビリー・ボブが演じるシークレット・サービスの親玉みたいな人も、「おれは30年この仕事してきたが、こんなことは初めてだ!」みたいなこと言ってて、そりゃ大統領暗殺なんてそんなあるものじゃないもんね。

この銃撃を収めたビデオは、大統領の頭の破片を拾うファースト・レディの映像が衝撃なんだけど、実際のビデオも使っているけどあまりそういう「のぞき趣味」みたいな感じにはしたくないようで、パパっとしか出てこない。

でも、ファースト・レディは病院に着くまでパレードの車で大統領の撃たれた体を抱えたままだったてのも衝撃だったし、拾った頭蓋骨と脳の一部を看護婦長に渡すという、いやいやいや・・・。

死亡が確定された後、お医者さんたちは「この後、どーするんですか?」ってシークレット・サービスに訊くんだけど、「棺桶を用意しよう」って話になって、「え!」って思った。普通、モルグに連れてって、ちゃんと死化粧してから棺桶に入れるんじゃないの?

とか思ってたら、テキサスの州警察?の人が来て、「検視もしないで、州外に遺体を持ち出すことはできない!」とか言ってるのに、シークレット・サービスは強行!ケネディ大統領の頭は包帯で巻かれ、棺桶に血が付いたような状態で持って行っちゃう。

大統領専用機に棺桶入れようとするんだけど、貨物として積むのはひどいので、スクリュードライバーで慌てて座席のネジを外して取り去ったり、タラップ上がるのに棺桶落としそうになったり。

しかも飛行機の入口が小さ過ぎて、棺桶が入らない!それゴリゴリのこぎりで広げて、屈強なシークレット・サービスがぶち破って入れたり。

すごいカオス!!

それと並行してハーヴィ・オズワルドも捕まるんだけど、この人のお母さんは、息子がアメリカ政府のスパイ?かなんかって本気で信じているような、変な人だった。

ケネディ大統領暗殺に関しては、たくさん陰謀論があるので、もしかしてハーヴィのお母さんの言ってることがホントだったりして!だって、テキサスで撃たれたんでしょ?ケネディ大統領って、人種差別をなくそうとか、結構リベラルな大統領だったみたいじゃないですか。この人が暗殺されず任期を務めたら、アメリカは全く違う国になっていた、って言う人もいるらしいし。

これは2013年制作なんですけど、この暗殺から50年、ということで撮られた映画みたいですね。豪華なキャストは、プロデューサーの一人がトム・ハンクスという影響?とも思うのですが、やっぱりアメリカ人に取って大きな出来事だったから、みんな参加したかったのかなと思いました。
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