回想シーンでご飯3杯いける

アデル、ブルーは熱い色の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
3.2
アデルとエマの台詞がとにかく多い。2人の顔のアップが延々と続く。一方で、2人が互いに惹かれた経緯や理由といった部分は、そんなに多く描かれているわけではない。

だから、冒頭の20分ぐらいの間で、感覚的に興味を持った人はどんどん引き込まれるのだろうし、そうじゃない人は、少し退屈に感じてしまうはず。

つまり、これは、演出や背景の描写を極限まで抑えた、真っ当なラブ・ストーリーなのだと思う。実際の恋愛が、当事者以外にとって価値の無いものであるのと同じで、アデルとエマの恋も、2人にとっての価値以外の部分について、この映画ではほぼ触れられていない。(2人がレズビアンである事に対する賛否についても全く描かれていない)

理屈や演出では無く、感覚的な部分で恋愛を描いている点で、とても女性的な映画だと感じた。男の場合、何か演出や客観視点が欲しいのだ。例えばエマが描いたアデルの肖像画。あれをストーリーの中に上手く組み込めば、より多くの人に訴える映画になったのに、、、、、と思ってしまう。

ただ、それをやってしまうと、この映画の魅力は半減してしまうのかもしれない。