貝

アデル、ブルーは熱い色の貝のレビュー・感想・評価

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
4.0
レズビアンがテーマの映画なのかと思っていたら、思いがけず、自分の生き方を問われるような、映画だった。

文章を書く才能がありながら、堅実な道を生きようと同性愛者であることを隠し、教師の仕事をするアデル(アデル・エグザルホプロス)。レズビアンとして画家として、自分らしくいられる人生を生きるエマ(レア・セドゥ)。
多くの人はアデルと同じ道を選ぶ。エマの生き方はリスキーだし、傷ついたり失敗したり将来は見えないし絶望が待ってるかもしれない。堅実な仕事をして人並みに結婚してそれなりにお金はあって、刺激は少ないけど平凡でいられればそれでいい。じゃあなんでこんなにエマが眩しく見えるんだろう。なんでエマのことが忘れられないんだろう。アデルの気持ちを通して自分に問いかけられているようだった。
エマはかっこいい。自分の生き方に責任を持って自分に素直に生きててしかも才能まである。私は何をしてきたんだっけ?コンビニで買えそうな人生や幸せが本当に欲しかったもの?私はエマに愛されるに相応しい人間?

まだ23才。まだ悩んでもいい。うだうだしてるあいだにもう23才。別にエマの生き方が正しいわけじゃないし自分の生き方を惰性で選んできたわけじゃないけど、そんなことを考えてしまいました。
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