顔近っ、尻近っ、皮膚近いって!
ボヤけた背景に、画面のほとんどを占める顔。それもたまにではなくかなり長い時間顔ばかり。肌の質感が嫌に伝わってくるほど顔の印象が強い。
特に主人公アデルの表情を一つも逃さずに映してくるので、良くも悪くも彼女を無視できない映画。
個人的には、彼女の行動に納得ができなかったのであまり共感はできなかった。
彼女の感情と自分が離れていくほどに画面いっぱいの彼女の顔がどんどんくどくなってくる。
逆に言えば彼女に共感さえすればこの映画に深く潜り込んでしまうだろう。
まあそれにしてもセックスが多いな。10分に一回くらいってピンク映画の規定かと思った。接写が多い分、セックスもかなり印象強く頭に残る。お洒落な台詞で愛を伝えるよりも愛情がしっかり伝わる濡れ場だった。そこがこの映画の良いところだと思った。
お互いを本能のままに求め合うことに美しさすら感じさせるこの作品は、感受性の豊かさと美的センスの絶妙なバランスでできている。
ただ一つだけどうしても言いたい。
カフェで何してんの?