ぬまつ

アデル、ブルーは熱い色のぬまつのレビュー・感想・評価

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
4.0
カンヌ映画祭で歴史的な大喝采を浴びた作品。
余計な説明、余計な音楽一切なし。直球勝負でした。

中盤は激しい性描写のシーンが多いです。恋人同士は気を付けましょう。
ただし決して嫌らしくはありません。ただただ美しい。

後半はとにかく切ない。孤独なアデルにひどく胸が締め付けられます。

タイトルの通り、「ブルー」があらゆるシーンで使われています。
エマの髪の色はもちろん、アデルとエマが愛し合うベッドの色、アデルとエマが別れを決めたときのお店の色、アデルが大の字になって浮かび上がる海の色。
そしてラストを飾るアデルの衣装が綺麗な青色で、それに染まるアデルの美しさが何とも切なかったです。

アデルの演技よかったなぁ。泣き崩れるところなんかは本当に迫真の演技。
綺麗な二重の目、キュートなアヒル口にえくぼ、無造作に荒れた髪、すべてがセクシーで引き込まれました。
横になってエマに甘えるときの表情とか本当に可愛いです。

エマも、荒れ狂うシーンは、普段ニコッと静かに微笑んでいたエマからは想像できない怒りでこっちも怖かったです。

一つのカットを納得のいくまでひたすら何十回と撮り続けるアブデラティフ・ケシシュ監督、そういったアデルとエマがぶつかり合うシーンもきっと何度も何度も撮り直したんだろうなぁ。
この主演の2人、実際は年齢8つも離れていますからね。

マイナス査定としては、引き込まれたけど、やっぱり上映時間が長すぎるなぁ。あと20分は削ってほしかった。
演出も、わざとらしくてもいいからもうちょっと劇的に見せるシーンがあってもよかったような気もします。でないと3時間飽きちゃうしね。
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