MushisasareKamo

アデル、ブルーは熱い色のMushisasareKamoのレビュー・感想・評価

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)
4.0
「相当良い作品なんだろう」と思って鑑賞したが、想像の倍の良さがあった。
切なく熱く、息もできないような"ブルー"がそこにあった。

この映画を、「レズビアン映画」や「芸術映画」とカテゴライズすることなく、敢えて「アデルの人生における熱く切ない愛の話」と、捉えたい。
レズビアン映画とカテゴライズするには、余りにナンセンスだし、芸術映画として語れるほど、フランス文学や哲学、芸術の知識が乏しすぎるから。

もちろんレズビアン映画なんだけど、アデルは「女性だから」青髪のエマを好きになった、というわけではない気がした。
だからレズビアン故の関係を発展させる難しさ(子供の問題)とか社会的偏見とかもちろんあるんだけど、それよりも私が印象的だったのは、人間としての、アデルとエマの「差」だった。
職業や感覚、大切にしている価値観、育ち、色んな差が二人の関係に歪みを生んでいく。

こんなに、障壁無く、抵抗なく、疎外感なく、観ることが出来たジェンダーマイノリティ映画は無かったから…感動した…
そしてどことなく共感できた。