東北記録映画 ②(気仙沼編)
ちょっと順番が前後してしまったが、本作で3部作すべて鑑賞。
3.11当日の話は聞くけど、3.11の話だけを聞いて終わりにしない所がよかった。
そっから人それぞれに話が広がっていって、結婚してからの夫婦関係の話になったり、漁師としてのキャリアの話になったり…
「自分よりもっと辛い目に遭った人がたくさんいる」という「負い目」のようなものを抱えておられるなかで、彼ら・彼女らはなにを語ってくれるのか。
監督たちの発明なのかどうかはわからないが、この「斜めの対話」みたいな手法が生む効果はすごいなと思う。
出演者の方は、親しい相手がすぐそばで聞いているのを意識しながらもカメラに向かって説明、あるいは「演技」をし、それに対してまた相手が「なにいってんのよ」的にツッコミを入れたりするという。
対話なんだけどただの「対」話ではなく、お互いの1人語りにななめから干渉していく対話。
「語られなかったことに対して、語られたことを特権化してはならない」