平沢智萌xxxネタバレ気味注意

ゲノムハザード ある天才科学者の5日間の平沢智萌xxxネタバレ気味注意のレビュー・感想・評価

1.0
設定はとてつもなく面白かった
元の宿主の記憶を記憶するウイルスが他者に感染することにより
寄生先の記憶を全て浸食して、元の宿主の記憶へと上書きされる
元は天才科学者として生きていた韓国人だったが
イラストレーターとして生きていた日本人の記憶へと上書きされてしまい
自分が韓国人であったことも忘れて、日本人として生きている
…が、そのウイルスは1年しか持たずに消えていく
日本人の記憶が薄れていくことにより
元の韓国人の記憶が少しずつ呼び起され混乱が生じてくる
その日本人の記憶が消える最後の5日間の物語なわけですが…

設定はとてつもなく面白いです(二度も言いますw)
が、所々人間関係も含めてややこしくなっていく
物語としては「謎」はちゃんと回収はしていきます
分からないよってことは、まぁ、ないんです
無いんだけど…なんでだろう「面白くない」んです
設定は面白いんです。
役者陣も悪くはないんです。
分からないこともないんです。
でもなぜか「面白くない」し、「分からない」んです。
なんというか、たぶん、想像以上に「誰にも共感しないまま終わる」からかなと思う
西島演じる主人公の記憶自体も物語的に「曖昧」で「混乱」しているのだから、見ている側が「西島と同じ気持ちで混乱しながら見て」って感じでスタートは出来るんだけど、韓国人と日本人の記憶が混在しまくってくる後半になればなるほど、見ている側は「共感」も「感情移入」も出来なくなる
その最たる理由は「ほぼ日本語で喋ってるから」だと思う
韓国人(科学者)の時には全て韓国語を喋り、日本人(イラストレーター)の時には日本語で喋る
たったこれだけの「基礎」を厳守してもらうだけで、主人公に対する共感や感情移入はしやすかったろうにと思うのに、日本語でずーっと喋るから「日本人で話してるのかな?」「日本人でなぜそれを疑問に思う?」とか…
誰の視点での思考や言葉なのかが悪い意味で不明瞭で、そこで見てる側に「謎」が出来て、その瞬間に怒涛の解決編のスピードから置いて行かれてしまって「客観に見るしか出来ない」に陥ってしまったような感じがする

最後の真木よう子とのシーンも、
徐々に消えていく主人公の記憶の表現を身体の震えで表していて、緊迫する雰囲気をまとっているんだけども、つまり、アレって…日本人が「なんで韓国人の人の奥さん死んでんの?なんで?」って思ってる、んですよね??
(記憶が混乱して日本人からしても自分の奥さんだと思ったのかもしれないけど、日本人は結婚してないようなので、その部分の絶妙に疑問点?ユリは韓国人の奥さん。真木よう子は記憶結合した後に偽装で結婚させられた奥さん。なので元の日本人には奥さん居ないですもんね?)

後半は、日本人の記憶というのはたぶんなけなしであったと思われるんですが、それを無理矢理「まだもうちょっと頑張れ!」ってやってた感じですよね?
カーチェイスしてたのは運転の下手さからして韓国人(科学者)の方?
研究室まで乗り込んで博士に拳銃ぶっ放したのも韓国人の方?
…韓国人の思考の時は、後半ならば特に韓国語で是非お願いしたかったですね。移入も変化も「どっち?」ってなってる時点で話に入っていけなかったです。

設定は本当に面白くて良かったんですけどね!!!
せめて韓国人設定じゃなくて、どっちも日本人設定だったら、その「どっち?」も面白いスタイルで見れたのかもしれないのに、国籍が違うからという部分を念頭に置いて見てるし、韓国語喋るしで…
映画の法則として「韓国人の時は韓国語を読み書き喋りが出来ます」と作中で説明しているのだから、後半に特にその「映画の法則」を完全無視してるのだから、ソレを成り立たせてない制作や監督がクソだったとしか言えないですね。