つるみん

嗤う分身のつるみんのレビュー・感想・評価

嗤う分身(2013年製作の映画)
3.4
【上を向いて〜歩こうよ〜♪】

内気な青年サイモンは、向かいのアパートに暮らすハナを望遠鏡で覗く事だけが楽しみの孤独な生活をしていた。そんな時、瓜二つの見た目だけど、性格は正反対のジェームズと出会う事によってサイモンの生活が狂っていく…。

原作はドフトエスキーの『分身』(二重人格)であり小説同様の原題『The Double』を使用。しかし映画的には非常にヒッチコックの撮り方を意識しているなと思った。まあテーマがテーマである為、特に影の映し方なんかは印象的であり、小道具の見せ方なんかもらしいなと。あとは『裏窓』そのものなんかも。

自分と同じ見た目をしているけれど、自分ではないという気持ち悪さ。自分を客観視しているようだけれど違う擬かしさ。本作、雰囲気作りも上手で、正直作品の雰囲気を陰湿なものではなく、明るい感じにすれば、本当の自分を良い方向に変えていくようなポジティブなストーリーでもいけたはず。(そっちの方が良いとかいう話ではなく)

ドッペルゲンガーもののサスペンス作品としてはそこまで多くない伏線をしっかり摘んで落とすべき所に落としたなという印象を受けたのでラストの終わり方も個人的には好みであった。
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