840

嗤う分身の840のネタバレレビュー・内容・結末

嗤う分身(2013年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

洒落た色彩・構図と、異様な音楽。突然グループサウンズが流れてくるので、はっ!?となる。設定としては「ガタカ」を思い出したし、BGMとしてはプレステのゲーム「Moon」を思い出した。とにかく不思議な雰囲気。上手く表現できないけどBGMがBGMじゃなくて、何かの作業音だったり、靴が廊下を蹴る音や機械の動く音だったり、そういった「日常的な音」が映像の中で印象的に鳴り続けている。それらの音は不快ではなく、むしろ心地いいと感じられるものだった。
ストーリーとしては後半が見ていてとても辛かった。存在感が薄く他人から注目されることのない自分のもとへ、明るい雰囲気を持ち社会を渡り歩くのが上手い、自分と同じ容姿をしているが自分と正反対の人間が現れたとしたら。上手く立ち回るドッペルゲンガーにはもちろん腹が立ったけど、何より主人公の存在を蔑ろにして酷く傷つける周囲の人間に悲しみを覚えた。
エンディングの楽曲が韓国語であることに気付いた時にはまた はっ!?となったけど、この多国籍な楽曲チョイスが映画の不思議な雰囲気を後押ししているなと思った次第でございました。
840

840