個人的にクリストファー・ノーランは苦手な監督なので今作も何となく敬遠していたのですがオモロいやん。
ノーランはジャンル映画をオレ映画にしていくきらいがあります。
オレの考えたヒーロー映画。
オレの考えた戦争映画。
オレの考えたSF映画。
オレの考えたタイムトラベル映画。
今作はオレの考えたケイパームービーですね。
序盤はケイパームービーの楽しさの一つである仲間集めと共に丹念に、クドイくらいオレの考えた夢世界のオレルールの説明に時間を割きます。
ここら辺結構好きでした。
中盤以降のいま誰の夢の中に入っているのか混乱してしまう何重もの入れ子構造の夢シーンも楽しかったです。
今敏監督の「パプリカ」との類似を指摘されていますが、完璧に観ているでしょうノーランは。
ノーランに才能があるのは認めます。
しかしあらゆるジャンル映画を俺の考えたジャンル映画に塗り替えるのでイマイチそのジャンルの持つ王道のキモを外してしまう感があります。
ケイパームービーのラストの大逆転カタルシスのザマァ感がなかったのは残念でした。
ラストは結構好きでした。