賢太郎

インセプションの賢太郎のレビュー・感想・評価

インセプション(2010年製作の映画)
5.0
僕が初めてこの絵を見た時は確か高校生くらいだった気がします。当時は「え、冒頭から意味が分からない…」と完全に置いていかれてしまい、結末も含めて消化出来ないまま試合終了した苦い思い出がありました。つまり今回2回目の鑑賞はまさに何年越しかのリベンジマッチです。

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【結論】
21世紀の作品の中でも指折りのエンターテイメント超大作。傑作過ぎました。。。
こうなるとノーラン監督の最新作にあたる『TENET』に否が応でも期待せざるを得ませんね。

本作は"人の深層心理"の中へと侵入していく抽象的概念を映像化しています。そのきっかけ(トリガー)になるのが"夢"。人が夢を見るタイミングでその夢を此方側で作り上げて、対象者が隠している意識だったり秘密を盗み取る。その上でもう1段階難しい記憶を"植え付ける"作業により、対象者の価値観を変えてしまうことも出来ます。考えただけで恐ろしいですよね。夢の中なので何かあっても(極論死んだとしても)現実世界に戻って来れますが、当然痛みは伴いますし、対象者の中に防衛本能や訓練が施されている意識があれば攻撃もされるので決して簡単な仕事ではありません。

"設計士"(夢の中の世界を作り上げる人物)や"調合師"(夢の中の世界に入る為の薬を調合する人物)等役職が面白い。構成が上手く練られていて、どんどん下の階の心理世界に入っていく過程も理解しながら観ることが出来ました。

ただ今作のミッションがどうしても動機としては発想に対してショボく感じてしまう点と、主人公のコブの過去との決別(気持ちの整理?を付ける)の2つのスケール感がアンマッチというか、上映時間の尺が伸びてるのこの辺りの冗長さにありそう。でも微々たる点で、正直発想と選ばれたキャスト、それにより描かれる奇想天外の夢の中の世界での攻防でお腹は一杯なので大満足でした笑。

そしてラストシーンは皆様どう思いましたでしょうか?

僕は"止まった"と考える側の人間ですが、最後を観客側に投げる手法はノーラン監督流石です。ありがとうございますノーラン監督。

※忘れてましたがサントラも神です。ハンス・ジマーLOVE.
賢太郎

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