城岩いと

インセプションの城岩いとのレビュー・感想・評価

インセプション(2010年製作の映画)
4.5
最新作「TENET」と関連性あるかも、と数年ぶりに再鑑賞。

レンタル開始当時に観たきりだったので、タイムカプセルを開けたような気分で、こんな話だったっけ? と驚いた。

序盤から倒れるドミノの如くハイテンポで物語が進んでいき、2時間半、一気に見せる。

驚くべき映像の数々、そして深い余韻。

全体図を見れば「ダンケルク」と同じことをやっていて、クリストファー・ノーランは時間や次元、空間そのものなど、〝目には映るが、形として残らないもの〟に強い関心を抱いた(映画自体がそういうものであるから、必然と言えばそうなのだが)SF作家だとわかる。

人間の感情や記憶、もちろん夢も、
映像として残さなければ本人のなかにしか存在しない。

複雑で難解なところはあるかもしれないが、何より映画でしか表現できない手法で、〝人間の想像力(脳)に限界はない〟と教えてくれる物語になっている。

(それと同時に、〝際限なく広がった想像力は、やがて暴走する妄想/妄執となり、人の精神が耐えられなくなる〟とも言っている)

頭の中に浮かんだビジョンをCGなしでスクリーンに描いていく、ノーラン自身、映画監督の限界にも挑戦した作品かもしれない。

最近になって日本のアニメ「パプリカ」に着想を得ているという話を聞いたので、そちらも観てみようと思う。
この作品、何かと日本が絡んでいる。
城岩いと

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