めしいらず

インセプションのめしいらずのレビュー・感想・評価

インセプション(2010年製作の映画)
3.1
映像化された夢の世界に圧倒される。目が釘付けになるほどの感覚美だ。パリでのトレーニング、ホテルでの重力無視のアクション、虚無世界の造形の素晴らしさ。スローモーションの見せ方には惚れ惚れする。それらの魅力と引き比べて物語には魅力が少ないと言うか針小棒大と言うか。正直食い足りなさが残った。そして階層構造の設定の複雑さ、情報量の多さがとにかく煩わしい。設定ありきで物語が従属させられているような印象。もう途中からどうでも良くなってくる。ただでさえ長尺なのに更に長く感じるほど思い切り時間を持て余してしまった。とびきり世評が高いノーラン監督の作品を観るのはこれで四作目。どれも良くできた映画だとは思うけれど、個人的には作風と合わない印象が深まっていくばかり。まあ私の頭脳の働きがただただ鈍いからなのだけれども。
あと本作に限らずだけれど、ハリウッド大作はどうしてカーチェイスや銃撃戦などアクションシーンを必ず盛り込んでしまうのか。この映画に関して言えばアクションがなくても十分に話を成立させられたはず。見せたい場面の為になぜ物語をそちらに寄せてしまうのか。正直辟易している。
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