トムトム

アクト・オブ・キリングのトムトムのレビュー・感想・評価

アクト・オブ・キリング(2012年製作の映画)
4.0
鑑賞してからすぐにレビューを書く気になれずずっと考えてしまうほどに刺さった作品。

1960年代のインドネシアで共産主義者狩りの名目で行われた大量虐殺。
殺したもの達は今も権力者の地位におり被害者の親族達は社会の底辺で息を潜めて生きなければいけない狂った社会。

当時の加害者達に自分達の英雄的行動を映画化しようと持ちかけ劇中で自分達のやった事を再体験させてどの様な反応をするか試すのだが、劇中でも「罪の意識を持つと守りが弱くなる。」と言う男がいるが自らの罪に向き合ってしまったアンワル・コンゴの姿は見るに耐えない。

たしかに彼らの罪は人間として許されない外道の所業だしこの歴史は広く知られて被害者に対する慰霊をするべきだ。
社会正義とはいえこの監督がここまで踏み込んでやって良いのか考えてしまう。

素晴らしいドキュメンタリーだし、監督の勇気と行動力は尊敬に値する。
でもこの監督とは一緒に酒を飲みたくない。
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