アクト・オブ・キリングの作品情報・感想・評価

「アクト・オブ・キリング」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

意図したドキュメントとしたならば凄い。
誰しもが狂気の子孫。
インドネシア以前にこの世界は狂ってる、
いやぁ~〜歴史の認識って難しい
GreenT

GreenTの感想・評価

4.0
自分がアメリカ映画や音楽を平和の象徴として愛してきた若者だったので、主人公たちのように、欧米のエンターテイメントを規制し、国民が貧困にあえぐような政策をする共産主義撲滅のための人殺しを、「人民を解放するために必要なことだ」と正当化することなど、簡単に出来てしまったのではないかと思った。虐殺の様子の演技は稚拙でバカバカしいのだが、それでも段々と上手になって行き、上手くなればなるほど本人たちが自分の行動を正当化できなくなっていく様が非常に興味深かった。この人たちは殺人を法律で裁かれることはなかったが、死ぬまで罪の意識にさいなまれるのは、法で裁かれるより辛い罰だと思った。
HK

HKの感想・評価

3.9
ジョシュア・オッペンハイマー監督によるインドネシアで実際に起った共産党員狩り「9月30日事件」を題材に扱ったドキュメンタリー映画。

何気に、ドキュメンタリー映画は初めてのレビューになりますね。

かつて、インドネシアでは100万人単位の国民が共産党に傾倒しているという理由だけで民間人に大量虐殺された。

映画冒頭で「1人殺せば殺人だが、100人殺せば英雄となる」というテロップが出てくるが、酷いかもしれないがあながち間違っていないのかもしれない。100人単位もの犠牲者の名前を我々は覚えることはできない。それは数の単位でしかなく、少しも感情が入る隙もない。

そんな人でなしのことをした人間が、その行為を昔の思い出話のように嬉々として語り合うシーンがある。そしてそんな和やかな光景で映画が構成される。この映画を虐殺被害者が見たら、恐らく失神するのではないか。

そんな彼らに自分たちのやったことを映画として撮らせる監督さん。ある程度映画を撮る才能はあるのか。虐殺をするシーンなどを見てみると意外と迫力がある。

そして、かつて自分がやった行為を再現し、映画内で被害者として演じるアンワルさん。撮影終了後、そのシーンを孫と一緒に見る。そこで彼は初めて思い知るのだ。自分が犯してきたとんでもない過ちを。

最後は実際の殺害現場に赴き、そこでかつて自分がやったことを思い出し、とんでもない吐き気に襲われる。人間はこうでもしないと肌身で気づけないのかと見ているこっちも恐ろしく感じるのである。

共産党員ってだけで罪になるのか?右も左も思想をもっているんだったら別にいいじゃないのか。奴らが悪いからやった。仕方がない。それで済めば元も子もない。

人間は失敗から何も学ぶことができない、自分が窮地に陥ったり、周りの雰囲気に合わせようとするとこれほどまでに愚かなことをするのか。しかも罪の重さも自覚することができない。

それは多分私もそうだ。人間は恐ろしい。

映画におけるインドネシアの選挙事情も知れてよかったですね。候補者たちの人たちは当たり前のように国民から賄賂やら政治献金を貰っているらしい。腐敗しきってますわ。

デヴィ夫人もこの映画賞賛していましたからね。それほどに価値のあるものであると思います。

いっつもこういう重い問題は被害者視点が多いから、加害者視点から見るものも非情に新鮮でいい気がします。だからこそお勧めしたいですね。
私と誕生日同じのデヴィ夫人、すごいひとだったんだな〜、と…
AM

AMの感想・評価

4.2
その時代の空気感によって、仕事として虐殺を行ったアンワルたち。国を守った者として誇らしげに暮らしているが、アンワルは最初から自分がやってことで苦しんでいる。虐殺を再現しているうちに、自分がやって事は罪なのだと知ってしまう。冒頭で嬉々として再現していた虐殺現場に再びやってきたアンワルがひたすらえずき続けるラストが強烈。虐殺者には罪と知りながら過去と距離を置き自己防衛したり、まったく罪悪感がないままの者、誘導しながら一切手を汚さない者。悪の多様さが描かれる。一番ゾッとしたのは「ANONYMOUS」だらけのエンドクレジット。

このレビューはネタバレを含みます

先日みたルックオブサイレンスの兄弟作

こちらが先なので兄にあたる
ルックオブサイレンスは被害者遺族に密着したドキュメントだったが
今作は加害者本人のドキュメント

しかも本人たちは自分たちの大虐殺の記録として再現映画をつくるつもりで意気揚々と撮影に参加している

彼ら自身普通に家族がいて孫がいて
孫と動物を慈しむシーンも挿入されたり
撮影エキストラとして参加している被害者遺族と交流して当時の話題で盛り上がり
ふと空気が変わったり

ルックオブサイレンスより感情の描写やシーンの展開が様々でより見応えのある作品にはなっている

ただ快か不快かで言えば
まぁ不快な内容ですよね
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