自由と壁とヒップホップの作品情報・感想・評価 - 4ページ目

自由と壁とヒップホップ2008年製作の映画)

SLINGSHOT HIP HOP

上映日:2013年12月14日

製作国:

上映時間:94分

3.7

「自由と壁とヒップホップ」に投稿された感想・評価

Goach

Goachの感想・評価

2.4
「言葉を銃にして戦う」

パレスチナ、ガザ地区のラッパーにスポットを当てたドキュメンタリー作品。

高校生ラップ選手権はじめ、日本でもラップバトルのTV番組が放映され、静かなラップブームが来ていますが、本作のテーマは「アラビックのラッパー」。同じヒップホップでも、意味合いが違いすぎて衝撃的です。

ヒップホップには4つの要素があります。
①リリック ②リズム ③ダンス ④グラフティアート
本作ではこの中でも、①リリックに重点が置かれ「内乱や争いばかりの社会を憂い、自由を求めるリリック」がぶつけられ続けます。


「自由と壁」を歌うと聞くと、ベルリンの壁でのデビッドボウイのライブを思い出しました。東西を分断した壁でライブを行うことで、歌をもって壁を取っ払おうという試み。壁で分けられているけど、心は繋がる。ベルリンの壁崩壊に繋がる、まさしく歴史的な出来事だと思います。

本作でも、そのように壁を取り払うために人々が結束する歌、がテーマかと思いましたが、全くもってそんなことはなく「ガザ地区のラッパーは自由を追い求めて歌い続けている」というところに終始していた印象があります。

歌い手にばかりフォーカスしているので、歌の意味や「歌によって何が変わっているのか」が分からなかった....

テーマは秀逸だし、パレスチナの現状を分かりやすく説明している点も素晴らしいと思いますが、ヒップホップが単なる「叫び」でしかないように受け止められるのが惜しいところ。
歌によって何かが変わっているはずだし、壁を意識して歌う意味はそこにあるはずだから。

歌う理由は分かった。でも、だから何なんだ?
という疑問は晴れませんでしたね。


テーマ自体が素晴らしいので、一見の価値あり。
シノ

シノの感想・評価

3.6
毎日が死と隣り合わせな中本当の意味で「俺たちには音楽しかない」と、暴力に流れる事なく生きられた人達から聞く言葉はとても含蓄があるなあ…!アラブ語でのラップはトラックも含めオリエンタルでどこか物悲しくとても良い雰囲気。

ラップをする事で現状は(悲しいけど)変わらないと思う、でも麻薬の売人に憧れてた子供達を軌道修正できたり、みんなの気持ちを一つにするための心の拠り所として確かに成功しているし、もうのんべんだらりと毎日を過ごしている自分からしたら頭の下がりまくる思いです。

誇張でなく老若男女が一堂に会してヒップホップに熱狂している、それはそこにいる全員が悲しいバックグラウンドを持っているから、それが伝わってきて涙が出そうでした。
何気なく映る背景の壁に弾痕があったりして厳しさを感じる。
「ペルシャ猫を誰も知らない」を観た時も感じた「当たり前の事(例えば音楽)をするだけが当たり前じゃない」という環境、彼らは「何事も神の思し召し」と言い、願いは一貫して「平和に暮らしたい」と言う。
昨今のヒップホップブームからの流れでもっとこういうドキュメンタリーにも目が向けられるといいなと思う。

縦書きの字幕、ずっとは結構見辛い…。
色々勉強になったしメッセージ性の強い作品。ただ音楽とビジュアルとして好きじゃない。字幕の色までセンスを疑う。
パレスチナのアラブ語のヒップホップという題材が素晴らしい。ラップも段々上手くなっていってる。
ただ、イスラエルと共にパレスチナを苦しめているアメリカ、そこが発祥のカルチャーであるヒップホップをパレスチナ人が好んでいるという事には違和感を感じる。表現するという面において、発祥など関係ないのだろうか。
TSUTAYAの取り寄せレンタルのおかげで見れました。

パレスチナ初のヒップホップグループの誕生から始まるドキュメンタリー映画。
警察からの弾圧や犯罪が横行するパレスチナのガザ地区の現状をラップで歌う若者達。生きる希望や夢をパレスチナの子供たちに与える心優しいラッパーの話でよかった。
2pacやnotoriousBIGを聞いた英語のわからないパレスチナの人たちが、母国語で手探りでラップするのがとても面白かった。歌詞のネタもガザにいると尽きない。
ラップでお金を稼ぐことは出来ないのに、彼らの両親は「いい行いだからいつか実る」と、音楽活動を全面的に応援していて感動した。周りはいい人ばかりなのにガザ地区の人間というだけで警戒され、身動きが取れなくなるのは見てて悔しい
Zawachin

Zawachinの感想・評価

4.5
SEALDsの元ネタはこれだと個人的に思ってるんだよなあ。報道関係者たるもの、絶対一生に一度は踏み入れたい土地の記録。
Tyga

Tygaの感想・評価

4.0
全てが軍隊によって破壊されていく中で、誰からも奪えない自分の音楽を創ろうとしている若者たち。

「何かを伝えるなら暴力よりも芸術がいい」
[パレスチナ]と[ヒップホップ]という組み合わせが面白い。『トゥーマスト』や『パーティー51』など、ここ最近こういう移植の組み合わせの音楽ドキュメンタリーが多く公開されるようになりましたが…その中でもパレスチナの歴史や現状なども丁寧に作られていて見やすい作品でした。

行き場を失い、何かとすぐ拘置所に入れられ、あちこちでテロが起こり、友達が銃で打たれ…

「もう恋なんてしない、なんて~言わないよ絶対~♪」なんて平和に歌って場合じゃないんですよ。彼らにとってはヒップホップは命懸けのメッセージなワケです。

何組かヒップホップグループが紹介されてますが、やはりパレスチナ人初のグループ[DAM]が別格にカッコよかったですね。他の人らも普通に楽曲がカッコいい。最後に出てきた女の子だけ若干浮いてた感じがしましたけど。

全体を通して訴えたい事は充分伝わりました!けどもドキュメンタリー映画ならではのもう1つ上のステージ…ミラクル的な事が足りないかな~と思っちゃいました。

過酷な状況下にある彼らの上品な映画でした。

※レンタル延滞中につき慌てて鑑賞したせいかもしれません。。。
macco

maccoの感想・評価

4.0
パレスチナはニュースでたまに聞く程度で正直よく知らなかった。パレスチナにラッパーなんているの?て思って見たけど、予想以上にすごかった。
同じ国にいても気軽に会えない、なぜなら検問を越えるのに何時間も何日もかかるから。ほんの少しの間で治安も状況も変わる、夜は爆撃の色鮮やかな火花が散る、でも争いも麻薬もテロも御免だ、平和を祈って希望を持ち続けたいだけ、その想いをラップにのせる。暴力じゃなくて言葉で闘おうとする心意気、なんてクール!
「何かを伝えるなら暴力じゃなくて芸術がいい」って名言だと思う。
アラブだろうがシオニストだろがなにがなんだかワケカンナイシ。
でも言いたい!変えたい!当事者じゃないとわかんない事言うんだよ!hiphopって便利な物通して!じゃないとみんな聞いてくれない!関心持ってくれない!みんな同じじゃない?俺だけか?このクソ下手なラップ訊けよ!無理だろうが!でも、でもだよ!なんか動かそうとしてんだろが!
完全におかしな事言うてますけど、おかしな場所でおかしな音楽に本音を載せてる不思議な話。