ウタロ

ドン・ジョンのウタロのネタバレレビュー・内容・結末

ドン・ジョン(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

傑作。

プレイボーイながら自慰行為に依存する主人公が、複数の女性と関わり真実の愛を見つけ出すストーリーであるが、非凡なるのは自慰行為における『男の性(さが)』の見せ方である。

顕著なのは、主人公の自慰行為に対し、ガールフレンドが「私では満たされないからポルノでヌいている」と泣くシーン。
主人公は断固否定するが彼女には判って貰えず結局破局してしまう。


このシーンには、男性特有のオナニー観が表現されている。
主人公が彼女の発言を否定したように、男性は満たされない補完にオナニーするのではなく、

『あてもなく』オナニーするのである。

「ヒマニー」という言葉の存在がそれを裏付けている。
男性は時間的・心的に余裕があるとき、精神にひとしおの揺らぎを与えるように、あるいは新たな出会いに期待するように手を伸ばし、彷徨うのだ。

いわば、オナニーは【旅】である。
『そうだ、京都、行こう。』の如く、王道ばかりでヌいていたのではつまらない。
大した当てもなく『ぶらり途中下車』して未踏のサイトで隠れた名作、名優を発見したりすることこそが面白い。

オナニーするとき、男性はいつだってさすらいの旅人なのだ。旅人がさすらうのに立派な理由なんて不要なはずだ。

世の男性は今後、なぜオナニーをしたのか詰問された際は、「旅人だから」と言ってその場を収めて頂きたい。


余談だが、今作を鑑賞後Mr.Childrenの『NOT FOUND』を是非聴いて頂きたい。
桜井和寿氏が言わんとしていることが少し判るかもしれない。