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ドン・ジョンのblacknessfallのレビュー・感想・評価

ドン・ジョン(2013年製作の映画)
3.8
ネットのポルノ動画中毒の若者がこのままじゃやべぇと思い、ある女性との出会いをきっかけにポルノよりリアルで喜びを得ようと奮闘するラブコメ。

こーゆー設定だと主人公はモテないオタク、もしくは冴えないボンクラになることが多いんだけど、この映画の主人公ジョゼフ・ゴードン=レヴィット演じるドン・ジョンはイケメンで体も美しい筋肉の持主。性格も温厚。なのでクラブに行けば必ず女性をお持ち帰りできる。
まあ、完璧なプレイ・ボーイなんだよ。そんな男がポルノ中毒だから、よりポルノ動画の怖さと言うか、ネットで簡単に過激なエロにアクセスすることができる環境の弊害の深刻さについて考えさせられる。

ドン・ジョンのポルノ中毒はコミカルにおもしろおかしく画いてて笑えるんだけど、普通の男なら他人事とは思えない。
ドン・ジョンほどじゃないけど自分もそんな風に考えてるとこあるなぁみたいな感情が喚起され笑えるけど苦い恥ずかしさみたいなもんがこみあげてくる。

ポルノはファンタジーだって頭では分かってても、自分はそれに微塵も毒されてないと言い切れる男はいないはず。(言い切れる人は自分を客観視する能力が低いと思った方がいいっす笑)
ドン・ジョンは自分が意識してる以上にリアルの女性、それとの性交渉をファンタジーのフィルターを通して見るクセがついてる自分に気づかず失恋することになるんだけど、ここは鳥肌たったな。現代のネット環境で生きる男なら誰にでも起こりうることだし、自分もそうだけど、何より女性を傷つけるからね((゚□゚;))

でも、この映画、男のダメさだけに焦点を絞ってるだけじゃなくて、女性の身勝手さにもちゃんとスポット当ててるのがすごい。
ジョゼフ・ゴードン=レヴィットが監督もしてんだけど、男なのによくこんな普遍的な深い部分をうまく画けたなとビックリ!強い説得力があった。まるで本人が女性に言われたことをまんま撮ったんじゃないかと勘繰りたくなるぐらい笑

トーンとしてはおもしろおかしいコメディなんだけど、男女間の感性の違いや、関係性とは何かみたいなことについて考えさせてくれる奥深い面を持ったコメディだった。

しかし、ゴードン=レヴィットとよくこの映画で監督・主演したよな笑
どんな思いからなのか気になるよ笑
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