April01

ホドロフスキーのDUNEのApril01のレビュー・感想・評価

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)
3.7
ヴィルヌーブ監督のDUNEで自分が感じた違和感と疑問に対して、ホドロフスキー監督が答えをくれているとも言える作品。

すなわち、ホドロフスキー監督の言葉を借りれば、
文学作品を映像で表現するのは本当に難しい。
全く別の世界を創造する必要がある。
視覚的な世界だ。
読むのでなく音で感じる。
ということ。

そして
最初の100ページはわからない。
ハーバートははっきりと定義していない。
遠回しに書いている。
とも。

そこが読者による想像力であり、映画監督による創造の余地なのだなと納得するものの、一つだけ我慢ならなかったのは、この監督のサディスティック傾向。

パイターによるレトの拷問、絵で見せられたけど、創作にしてもいい加減にしろよと言いたくなる。勝手なことしないで欲しい、凄い嫌なものを見せられた気分で許しがたい。

ホドロフスキー監督いわく
映画を作る時は原作から自由になるべきだ。
ハーバートの原作をこうやって犯したんだ(レイピング)。
大きな愛を持ってね。

だそうだけど。
絵でなくて実写だったらどうなっていたことか。彼の語るラストやらについても言葉と絵とCGだけでは何とも言えないな~。

それとハリウッド側は監督に対して駄目出ししてるとミシェル・セドゥさんは繰り返し言っているのにも関わらず、ホドロフスキー監督はその点はスルーしてる。
そしてデヴィッド・リンチ版に対する赤裸々な失敗万歳的リアクションは素直で逆に好感持てるんだけど、その際、リンチは才能あるのにダメだったのはプロデューサーが悪かったから、とまあリンチに気を使う一言を忘れてない。
なら、DUNEで監督ゆずってプロデューサーやれば良かったのでは?とちょっと意地悪な気持ちも湧いてしまう。

最近観た「ジェームズ・ボンドとして」のドキュメンタリーでも思ったんだけど、絵コンテって大事だよな~と改めて思う。
改めて裏方さんたちの仕事ぶりをもっと見たい知りたいという気持ちが募る。
このドキュメンタリーにしたって、ジャン・ジロー(メビウス)さんの絵がなきゃ出来てないよね。
April01

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