大木茂

ホドロフスキーのDUNEの大木茂のレビュー・感想・評価

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)
3.8
これはいつかきたる未来の「DUNE」メイキング映像である

まずこの作品だけ観ても何が凄いのかさっぱり分からない敷居の高過ぎるまさにハイペリオン(高みを目指すもの)ドキュメンタリーだ

最低でもホドロフスキーの二作は観ておいた方がいい(この監督が宇宙を舞台にした映画を撮ると分かると更に混乱すると思うが…)

「2001年宇宙の旅」の次の作品になったであろう意気込み
「スターウォーズ」より先に行っていたであろう世界観
「トロン」「エイリアン」より早い気鋭のアーティスト起用
デヴィッドリンチの「デューン砂の惑星」を観て安心する戦士ホドロフスキー(素直でかわいい)

デザインはバンドデシネなメビウス、ギーガー
音楽はプログレッシヴなピンクフロイド、マグマ
そしてダリ、ミックジャガー、オーソンウェルズという超絶配役
ビッグネームの嵐(もはや七人の侍状態)、しかも構想ではなく参加が決定していた

そして夢を諦め病的な老人では無く前向きなホドロフスキー
いまだに元気に楽しそうに話す彼は強い心理と哲学を持っているから衰えないのであろう

しかし死ぬ事で広がりをみせるキリスト→ポール→DUNEの構図は皮肉である…


映画は監督のものだなと改めて思い知らされた
大木茂

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