SatoEmiko

パラダイス 愛のSatoEmikoのレビュー・感想・評価

パラダイス 愛(2012年製作の映画)
4.0
愛されたくて、愛されたくて、満たされない大きなお腹を揺らしてさまようケニアの浜辺。

真面目な初老オーストリア婦人のテレサがバカンスで向かったケニア。そこでは白人女性が現地男性の性を買う。最初こそ戸惑っていたものの、どんどんのめり込んで行ってしまう主人公。
日常的に植えていた愛への渇望に突き動かされ、何度騙されようとも、愛を求めて今日もリゾートの敷地を超えていく…
セックス観光が栄え、性愛に溢れた"パラダイス"のようなリゾートで、一向に手に入らない愛の物語。

自分も含めた誰もが持ち合わせる人間のいやらしさを目の前に突きつけられ試されているようで、見続けるのが嫌になりつつも、何故かそんなドロドロした部分も嫌いになりきれない、どこか愛おしさすら感じてきてしまう。
なかなかの不快感なのに、コミカルで、嫌悪しそうなイメージにも美しさを感じる不思議な映画(太っていて年も取っているテレサの大きな裸体がビーナスのように見えたり!)。
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