rage30

トム・アット・ザ・ファームのrage30のレビュー・感想・評価

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恋人の葬式に行ったら、親族がホモフォビアだった!…という話。

主人公と敵対する恋人の兄フランシスが、ホモフォビアな上に暴力的で嫌~な奴なんですけど、その反面、ケンカしたりダンスしたりと、妙に濃厚な接触行為があったりもして。
主人公も逃げるチャンスがあっても逃げなかったり、暴力を受けても従ったりしていて。
愛と憎しみ…お互いにアンビバレントな感情を抱くところがスリリングでしたし、もっと言えば、共依存的な関係性が危なっかしくもありました。

あとは、抑圧的は母親も怖かったですね。
『マイ・マザー』に引き続き、グザヴィエ・ドランの母親嫌いが感じられて興味深かったです。
この映画を見ると、同性愛者にとって、親バレする事が如何に恐怖なのかが分かりますし、彼らが如何に日常的に嘘をつくのかも窺い知る事が出来るでしょう。

同性愛をテーマにしたホラー映画としても面白いし、こうしたジャンル映画も撮ってみせた、グザヴィエ・ドラン監督の才能を改めて感じました。
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