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トム・アット・ザ・ファームのmomicoのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

噂の25歳イケメン天才監督、グザヴィエ・ドランの4作目。

自殺した恋人ギョームの葬儀のため、彼の実家を訪れる主人公トム。母アガットには、恋人であることは知らされておらず、兄のフランシスにはそれを隠し通すよう強要する。

葬儀の後も農場に留まるトム。フランシスの暴力と時折見せる優しさに、ギョームを重ねながら何かが変わっていく。
フランシスの激しさ、アガットの内なる怒り、ギョーム一家の謎…

田舎町の農場、広大なトウモロコシ畑、どんよりとした曇り空に湿った土。終始息苦しさを感じさせる閉塞的な空気感。
倉庫でのタンゴのシーンはものすごく官能的で、そのアンバランスさからは目が離せなかった。
引き摺られる牛のように、気が付けば、この不穏さに最後まで連れて行かれたような気がしました。

言葉以外の全てに沢山の意味が重ねられていて、そちらの意味でも目が離せない。

決して胸糞のよい映画(敢えて汚い言葉を使います)ではないのですが、何度も見返すことで楽しめる作品だと思います。
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