罪の手ざわりの作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

罪の手ざわり2013年製作の映画)

天注定/A Touch of Sin

上映日:2014年05月31日

製作国:

上映時間:133分

3.7

あらすじ

「罪の手ざわり」に投稿された感想・評価

箱蛙

箱蛙の感想・評価

3.8
2015/07/24(楽天レンタル)
Gaijin

Gaijinの感想・評価

3.5
この映画には驚異的なリアリズムがあります。 1つは、キャラクターと肩をこすり、これらの都市や時には工業施設(大荒れ地、採石場など)で歩く気持ちがあります。これは、派手なシーンに与えられた細心の注意とは対照的です。これらは、暴力を時には感情的に時々もっと冷たく感じる人物(女性と男性)です。それは、映画がこの新しいストーリーのために同じ血まみれのエピローグのこの定数なしでこの強さを持っているかどうかは不思議に思った。これらの爆発は体系的になっても有効性を維持していますか?私はそれを信じない。私はちょっとしたことを繰り返すストーリーセグメントの問題(転倒したトラック、バスなど)に問題があります。しかし、そうでなければ、それは強いです。
方向感覚が喪失されたような現代中国の都市生活
ジャ・ジャンクー
『罪の手ざわり』

90年代はじめ、候考賢と書いてホウ・シャオシェン、
張芸謀と書いてチャン・イーモウ、
陳凱歌と書いてチェン・カイコーと、
誰もが読めるようになるくらい台湾ニューウェーブや中国第五世代がまばゆい陽光を浴びて目まぐるし駆け抜けたのが昨日の事のようです。

それからあしかけ30年。アジア圏の疾走ぶりは映画に何を残したのか?

台湾ニューウェーブの候考賢、楊德昌エドワード・ヤン 蔡明亮ツァイ・ミンリャンの御三家だけでも、物語の起伏や人生謳歌を主流とする構造を地盤沈下させ、ゴダール効果とも言うべき作家性がアジア圏でもスタンダードな位置までもたらされたのは申し上げるまでもありませんが、中国第五世代の残した影響に関して言及している論説には意外とお目にかかってないような気がします。

文化革命以後、北京電影学院から輩出された多くの才能は共産主義時代以前の中国人の映画人によって作られた社会主義リアリズムの伝統を拒絶する点でとても好ましく感じておりましたが、その動きは1989年の天安門事件以後には沈静化し、近年では国による検閲の影響もあるらしく、アンダーグラウンドでの映画ムーヴメントが生まれているそうです。

私はジャ・ジャンクー作品は世評の高さより我らが北野武(オフィス北野)が積極的に提携している点でいつの間にやら無視出来ない作家になっておりました。

アンダーグラウンド故に短期間・低予算・イタリアのネオリアリズムに通じそうな生々しさ。
多くの作品が近代の資本主義市場に入ろうとしている中国をネガティブにとらえている所からも必然的に資本家対労働者の構図が通底し第五世代から一層ペシミズムに徹してるかのようです。
ですが個人主義的
反ロマン的
生活反視点的などだけでは(映画)それ自体を逆行させる危険性を孕んでる気がします。
悲劇を主流とする時代は終わらせて頂きたい。
作業員ダーハイのチアン・ウーも
強盗チョウ のワン・バオチャンも
風俗サウナの受付シャオユー のチャオ・タオも
広東省の青年シャオホイ のルオ・ランシャンさえ
すれ違っただけでも手に負えない人物であるにもかかわらず、誰もが何処かの映画で既にお目にかかったらようで独創性に欠ける気がするのはその為でしょうか。
劇中人物が資本家の犠牲になるのは理解出来ますが映画を犠牲にする事もありますまい。

聞けば本作『罪の手ざわり』は未だ中国では上映禁止だそうですが本当でしょうか?本当ならそんな政策そのものが映画を犠牲にしている証ですね。
FKG

FKGの感想・評価

4.0
汚職・出稼ぎ労働・性的搾取・拝金主義などの社会的不条理に傷つき、時に罪を犯す人々を、美化も糾弾もしないジャ・ジャンクー持ち前のドキュメンタリーっぽい視点で描いた作品。

武侠映画をおちょくってるみたいなシーンがいきなり出てくるのは第五世代の監督に対するディスりの延長か。

監督本人が成金役で急にでてくるところは、名匠の地位を得た自分に対する皮肉かな?
netfilms

netfilmsの感想・評価

3.9
 冒頭、一人の無表情な男がバイクに乗ってどこかへ向かっている。このオープニングは『青の稲妻』とよく似ているが、後ろから男を襲う若者たちが現れたとき、いきなり男は彼らに向かって拳銃を発砲する。男は何人かの人間を殺めるも、一人の男を取り逃がす。その男を後ろから追い、背中に向けて一発の弾丸を発射する。開巻直後、我々はジャ・ジャンクーの有り得ない暴力描写にしばし固まる。これまで一発のガン・ショットもナイフによるアクションも登場しなかった作家の突然の暴力の解禁にこそ、この映画の意外性が詰まっている。映画は一人の主人公ではなく、四人の男女の罪をアンサンブル・プレイではなくオムニバス形式で描く。ここで描かれる暴力は孤独な男の復讐劇である。貧富の格差が広がり、賄賂が横行している中国では、こういう搾取が見えないところで行われている。彼はその不公平さを是正しようと正義感で動くものの、ジャオの手下によって袋叩きにあう。地面に突っ伏した姿をゴルフのスウィングのように豪快に殴られたダーハイはたった一人で彼らを皆殺しにしようと猟銃を持ち出し、殺しのハントを始める。生きる尊厳を踏み躙られた男が、たった一人で敵のアジトへ向かう。口封じのためにもらった賄賂も彼をなだめる証にはならない。

 村長を殺し、村長の妻を殺し、ゴルフと揶揄う男を殺し、ジャオも躊躇なく殺す。それも至近距離から猟銃で弾を打ち込む残虐さで彼は自らの復讐を成し遂げる。2人目の時、オープニングを彩った無表情な男が再度登場する。男の暴力に怯える息子、妻と同じく三男の行動を疑う母親の描写もあり、男は知らずに罪を重ねていく。後半の市民を背後から撃ち殺して財布を奪う様子は残忍そのものでありなかなか正視出来ない。けれどジャンクーの対象の人物を真摯に見つめた目が、暴力そのものを肯定も否定もせず描く。風俗で働く年上の女に恋をしたり、工場で仕事をサボるうちに同僚に致命的なケガを負わせてしまうこともごくありきたりなエピソードであり、どこにでも転がっているアイデアである。極論を言えば、賄賂をもらったり汚職をしたり、女を脅迫して自分のものにすることが罪であるならば、猟銃で至近距離から撃ち殺したり、強盗をしたり、自分の身を守るために正当防衛で刺したり、不慮の事故で友人に大ケガを負わせてしまったことも程度の差こそされ、罪には変わらない。つまり悪というのは常に魔が差した瞬間から生まれてしまう。10年間ずっと悪いことをしてきた人間も、先ほどまで良い行いをしてきた人間も、罪を犯した地点からは同じ犯罪者であり、悪者に姿を変えてしまう。
え

えの感想・評価

3.7
気づいたらいつの間にか息ができなくなって喘いでいるよう
何もかも、いつも、突然
現代中国の貧富の差を描いた4つの短編オムニバス。貧困から罪に手を染める4人の物語。

飢餓と隣合わせの絶対的貧困ではなく、屈辱や妬みで心が焦がされていく相対的貧困の視点が、旧共産圏の国から出てきた事の味わい。

ただし、オムニバスという手法によってそれぞれのストーリーがコンパクトなので、タイトルの割には軽やかな印象。アジア映画特有のアクションの外連味も薫る。

質素で退屈な生活から、突如スイッチが入って残忍な犯行に手を染めるギャップの鮮やかさによって作品を成立させているので、ジャーナリズムと言うよりは演出の仕組みが前に出ている。
NAOKI

NAOKIの感想・評価

3.7
人気のない薄暗い展示室に大きな機織り機(はたおりき)が置かれていて、少数民族の衣装だろう…色鮮やかな服をきた少女の人形が座っていた…

きーがちゃん…きーがちゃん

少女の人形の手がしなやかに動いて機織り機が布を織り始める…

「機械仕掛けのロボット?」
おれは、それが本当の人間の少女だと気づいて愕然とした…
「少数民族には美人が多いですよ…ひひひ」
下品に笑う市職員の言葉を通訳が訳してくれた…

おれは息をつめて布を織り続ける美しい少女の横顔を凝視していた…

「長江哀歌」の巨匠ジャ・ジャンクー監督が現代の中国を切り取る四つの物語…

朝方に見るリアルな悪夢のような映画だった。
様々な理由で突然発動する暴力…その凄まじい映像と理不尽な迫力に凍りついた💦

なんだか不思議な映画でもあった…女性がクノイチみたいにナイフを構えたとき「おれはいったい何を見せられているのか?」という気分にもなった。
山の中…巨体なダム建設が行われているような川沿いの道…緑の印象がなく、砂利とホコリっぽい空気…
とにかく全編…現代中国の抱える闇と閉塞感がひしひし伝わって来るような風景ばかり…
リンゴやヘビが象徴的に描かれるのでキリスト教とかもテーマの根底にあるのかなぁ?とぼんやり思ったりもした…

おれは若い頃…仕事で中国の南寧市というところに行きました…日本の投資家を連れての視察だったため市の職員が接待をしてくれて、食事の後…郊外にある一種のテーマパークを案内してくれた。

出来たばかりのそのテーマパークはほんとに開園しているのか人っこ一人いない…中国各地の少数民族を紹介する施設でその民族の伝統的建物がパビリオンみたいになっていて、冒頭に書いた機織りの少女はある山岳少数民族のテーマ館にいたのでした。

聞くと各パビリオンにそこ出身の人がいて特産物などを紹介しているという。彼女(彼)たちは大使とかコンパニオンとかではなく民族衣装をつけた展示物に見えて…みんな美少女美男子ばかりだった…
まるで現地で捕まえてきたみたいに…💦

「まるで人間動物園ではないか?」

まだ若かったおれは中国という国を理解できなかった…
まるで多すぎる人たちの使い道に困っているような印象を受けたのだ。

このとき、南寧市で見たあらゆる事象は強烈におれの脳裏に焼き付き、この映画を見た時、まざまざと蘇ったのでした。

きーがちゃん、きーがちゃん
がちゃん…

機械が止まると…
美しい少女は、まるで本当の機械仕掛けの人形みたいにゆっくりとこちらを振り向いた…
シネマQ

シネマQの感想・評価

4.5
きらめくナイフ!
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